研究課題/領域番号 |
01657002
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
柳田 敏雄 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (30089883)
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研究分担者 |
児玉 孝雄 岡山大学, 歯学部, 助教授 (30034200)
木下 一彦 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (30124366)
井上 明男 大阪大学, 理学部, 講師 (80107060)
石渡 信一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10130866)
安藤 敏夫 金沢大学, 理学部, 講師 (50184320)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
31,000千円 (直接経費: 31,000千円)
1989年度: 31,000千円 (直接経費: 31,000千円)
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キーワード | アクチンフィラメント / ミオシン / 滑り運動 / 首ふり仮説 / 張力ゆらぎ / 運動タンパク質 |
研究概要 |
本計画研究班は、運動タンパク質分子の滑り、力発生の直接定量観察、ATPase反応中間体と力学的状態の関連づけ、滑り動物タンパク質分子のエネルギー状態と力学的状態との関連づけ、主要な研究課題として発足したが、すでに柳田の提唱している"滑走説"を強く支持する結果が得られ始めている。 柳田はアクチンフイラメント一本をマイクロニードルで自由に操作するとともに、1ナノメートルの変位を検出する技術を新たに開発し、負荷のかかっているときの滑り運動を高分解能で測定できるようにした。この方法で30個程度のミオシン頭部が力を発生しているときの張力ゆらぎを測定したところ、従来の"首ふり仮説"から期待されるような大きな張力ゆらぎは観測されず、力の発生はきわめて滑らかであった。すなわち、ミオシン頭部は連続的にほぼ一定の力を出していることが明らかになった。木下(慶応大 理工)、石渡(早大 理工)らは独自の分光学的方法でアクチンフイラメントの滑り運動を詳細に追跡し始めている。児玉(岡山大 歯)は、筋原線維を用いた実験で、無負荷の滑り運動ではミオシン頭部に結合したATP加水分解産物はほとんど遊離されず、滑りに対する抵抗が増加して初めてATP加水分解サイクルが加速されることを示した。この結果は,"滑走説"を強く支持する。井上(阪大 理)は、この筋原線維の結果をふまえて、滑り運動分子反応中間体の化学的状態の動力学的を行っている。児玉による滑り運動中のタンパク質分子のエネルギー状態を測定するための高時間分解熱量計の開発も順調に進んでいる。安藤(金沢大 理)、太和田(九大 理)らによる滑り運動素過程の理論的考察も活発に進められている。
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