研究課題/領域番号 |
01657502
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
徳永 万喜洋 東京大学, 教養学部, 助手 (00192659)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ミオシン / 構造変化 / 時間分解能電子顕微鏡法 / クライオ電子顕微鏡法 |
研究概要 |
(1)ミオシン頭部の構造変化。回転シャドウイング法により電子顕微鏡で種々の条件下のミオシンを観察した結果、ミオシン頭部に2種類の形があり、条件によってその割合が変化することを見いだした。どの条件下でも、ミオシン頭部にはまっすぐなものと、頭部の中央部分で折れ曲がっているものとが観察された。この事は、単方向シャドウィング法(試料を回転させずに白金カ-ボンを一方向からのみ蒸着する方法。影の長さから、高さ方向の情報を知ることが出来る。)によっても確認された。折れ曲がりの位置は、ミオシン頭部のドメイン構造の環境にちょうど一致しており、電顕像からの3次元再構成像や結晶の電顕像とも一致している。 ADPとバナジン酸、あるいはADP存在下では、折れ曲がったものが増加した。全ての条件下で、折れ曲がりの形状には変化がみられなかった。この知見を下に、ミオシン頭部は少なくとも2つの形状の平衝状態にあり、ATPやアクチンとの相互作用により平衝がずれるという考えを、作業仮説として提案している。 (2)時間分解能クライオ電子顕微鏡法の開発。ケイニドATP等のケイジド化合物を、Nd・YAGレ-ザ-からの355nmのパルス光で照射することにより反応を開始し、急速凍結することにより反応を停止する事を基本原理としている。時間分解能を持たせる為に、落下中の試料の位置を光センサ-により検出し、一定時間後に(この時間は可変である)レ-ザ-光を発振させる。凍結時間は、熱電対の熱起電力の変化から決定する。これらの制御および情報処理は、A/D変換ボ-ドを装備したパ-ソナル・コンピュ-タ-で行っている。当方法により、アクチン・ミオシン系のATPとの相互作用による構造変化を、生のまま直接観察することが可能なった。
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