研究課題/領域番号 |
01657503
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新免 輝男 東京大学, 理学部, 助教授 (80114510)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 原子質流動 / アクチン / ミオシン / オルガネラ / 花粉管 |
研究概要 |
花粉管内では活発な原形質流動がみられる。流動と同じ方向にアクチンフィラメントが配列していることおよびサイトカラシンによって流動が阻害されることから、流動力発生にはアクトミオシン系が関与していると考えられてきた。しかしながらミオシンに関する情報は全くなかった。我々は花粉管を破砕して集めたオルガネラが車軸藻のアクチンフィラメント上を動くことから、花粉管のオルガネラにはミオシンが結合していると結論した。また他の研究者によりミオシん抗体が花粉管のオルガネラに結合することが報告された。本研究ではこのミオシンと考えられるトランスロケ-タ-の性質を運動再構成法によって解析した。 テッポウユリの花粉を振とう培養し、それを破砕してオルガネラを集めた。細胞内済流法によってあらかじめ原形質内質を除去しておいた車軸藻の細胞内に花粉管オルガネラをMgATPと共に導入することにより、運動を再構成した。オルガネラをSH基修飾剤であるNEMで前処理すると運動活性が不可逆的に失われた。また高濃度のKCl存在下では再構成運動は完全に阻害された。KClで前処理してKClのない状態で再構成を行った場合はわずかであるが運動が見られた。このことからKCl存在下で全く運動が見られないのはアクチンとミオシンの相互作用が阻害されることが原因であると思われる。ヴァナジン酸は全く阻害作用を持たなかった。SH基をNEMやpCMBで修飾した骨格筋ヘビ-メロミオシンはアクトミオシン系が関与する運動を特異的に阻害することが知られている。車軸藻アクチンフィラメント上における花粉管オルガネラの運動もpCMB処理したヘビ-メロミオシンによって阻害された。アクチンフゥラメント上においてオルガネラはポインティドエンドからバ-ブドエンドの方向に動いた。以上のことより花粉管オルガネラに結合した「ミオシン」の性質は骨格筋ミオシンに似ていると結論される。
|