研究課題/領域番号 |
01658002
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高久 史麿 東京大学, 医学部, 教授 (40048955)
|
研究分担者 |
平 則夫 東北大学, 医学部, 教授 (60004553)
宮武 正 新潟大学, 医学部, 教授 (50048998)
三木 直正 大阪大学, 医学部, 教授 (40094445)
高木 宏 大阪市立大学, 医学部, 教授 (30163174)
立石 潤 九州大学, 医学部, 教授 (70033305)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
1989年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
|
キーワード | アルツハイマー病 / 老人斑 / 神経原線維変化 / βーアミロイド蛋白 / 21番染色体 |
研究概要 |
本研究班の主題であるアルツハイマー病(AD)の病因に関して、まず本疾患の特異的病理所見である老人斑と神経原線維変化(NFT)の形成に関する研究結果が報告された。形態的にはギ酸処理免疫組織化学法が開発され、老人斑の構成々分であるアミロイド(β蛋白)沈着過程が明らかにされた。生化学的には、アミロイド前駆体蛋白(APP)からβ蛋白を産生するプロテアーゼが同定された。NFT形成に関しては、MAPSが構成々分として含まれること、さらにタウ蛋白をリン酸化する新しいキナーゼが同定された。分子遺伝学的には、APP遺伝子の構造、特に転写調節領域の解析が行われ、転写調節に関与する配列が見出された。又AD脳から良質のcDNAライブラリーが作製され、AD脳における特異的変化を検出する上で重要な進歩があった。家族性アルツハイマー病(FAD)およびダウン症候群の病因遺伝子は、これまでの研究から21番染色体の局在していることが報告されている。今回、21番染色体上のDNAにコードされ脳に特異的に発現する蛋白が発見された。また巨大なDNA断片を分離して解析する方法が開発されFAD遺伝子を検索する有力な手段とし期待がもたれる。ADの病因をめぐって、今回AD脳において欠損している神経細胞生存抑制因子が正常脳より精製され、その特性が明らかとされた。記憶形成と関連において、化学的神経回路網の解析では、大脳皮質、海馬におけるアセチルコリンとモノアミン系入力のpostsynaptic targetsが同定された。又、受容体の研究では、ムスカリン性アセチルコリン受容体による信号伝達を細胞内レベルでとらえる短期記憶の機序が明らかとなった。更に、プロテインキナーゼCの各サブタイプの海馬を中心とした局在が明らかにされ、long-term potentiationとの関連が検討された。
|