研究課題/領域番号 |
01658511
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
加藤 泰治 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (60094364)
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研究分担者 |
田中 亮 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (90094383)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1989年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | グリア / ニュ-ロン / 神経発育因子 / 成長因子 / 神経芽腫細胞 / 神経線維腫 / シュワン細胞 / アルツハイマ-病 |
研究概要 |
アルツハイマ-病ばかりでなく各種の神経変性疾患脳の神経細胞死は、なんらかの神経栄養・発育因子(NTF)の低下あるいは欠損によるものかもしれない。神経細胞を保護する役割を果たすアストロサイトや、軸索を取り巻くシュワン細胞は神経細胞の生存維持、突起伸展、細胞分化を促進する神経成長因子(NGF)、神経芽細胞増殖抑制因子(NGIF)、グリア由来神経発育因子(GdNTF)などの液性因子を産生していることが知られている。われわれは、これまで脳発達過程における“液性因子によるニュ-ロン・グリア相互作用"の研究を進める中で、ヒトグリア性細胞(シュワノ-マ細胞)がヒト神経芽腫細胞の増殖を促進し、正常の神経芽細胞(ラット大脳神経細胞)の神経突起伸展作用をもつ新しい神経発育因子(NFdNTF)を多量に産生していることを見いだした。この因子の精製は、粗抽出液を熱・酸処理後バイオゲルP-10、LOP-ODS、MONO-Q、ODS-5カラムを用いて完全精製した。精製NFdNTFはTSK-2000のゲル瀘過上での推定分子量は4、4Kでアミノ酸分析結果からは30個のアミノ酸よりなることが判明した。このペプチド性因子はトリプシンや他の中性プロテア-ゼに対しては抵抗性を示したが、酸性でペプシン消化後プロテイナ-ゼK処理によりはじめて活性を消失した。また、多くの神経発育因子で認められているようなプロテア-ゼインヒビタ-活性はもたなかった。ごく最近行ったFAB-MSの結果より、この因子の分子内にプリン誘導体が結合していることが分かり、現在その分子構造とペプチド鎖との結合様式について検討中である。今後は、NFdNTFの全構造の決定とともにその産生部位や作用機序についての研究を、分子生物学的な手法をもちいて明らかにしていく必要がある。
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