研究課題/領域番号 |
01658512
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
栗山 欣弥 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (20079734)
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研究分担者 |
土橋 康成 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (50106390)
大熊 誠太郎 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (30152086)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | アルツハイマ-病 / 初代培養神経細胞 / 起因物質の同定 / 誘発物質の同定 / 無血清培養法 |
研究概要 |
アルツハイマ-病の病因については不明の点が多いが、従来から主として行われてきた形態学的研究の外に、最近では遺伝子レベルでの解析及び神経化学的研究が活発に行われる様になって来ている。本研究ではアルツハイマ-病患者で特に萎縮・変性が強いとされる脳内コリン作働性ニュ-ロンを取り上げ、初代培養したコリン作働性ニュ-ロンに対して抑制的に働く因子がアルツハイマ-患者剖検脳内に存在するかどうかを検討した。 1.剖検脳内のニュ-ロン発育又は維持阻害物質を神経細胞系を用いて検討する場合には、まず培地内物質、特に培地に加えた諸種血清蛋白との相互作用が問題となる。従って無血清培地を用いてマウス大脳皮質から得たニュ-ロンの初代培養を試みたところ、7〜10日間は確実に生存することが判明した。 2.アルツハイマ-病と確定診断した患者の大脳皮質側頭葉剖検脳の水抽水物を作製し、これを上記1で得た初代培養神経細胞系に適用したところ、明らかな発育抑制を示す物質が検出された。この物質はコリン作働性ニュ-ロンに対して比較的選択性のある抑制を示すものであり、初代培養神経細胞系に適用すると、アセチルコリン含量低下、コリンアセチルトランスフェラ-ゼ活性抑制及びアセチルコリン・ムスカリン受容体の低下などを招来した。 上記の各実験を成功させるためには、まず十分量のアルツハイマ-病患者剖検脳組織及びこれの対照となる剖検脳組織を得ることが必要である。現在国内各医療機関を通じてその入手を計ると共に、米国ハ-バ-ド大学医学部Bird教授(神経病理学)の協力を得て、米国からも入手する準備を整えているところである。
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