研究課題/領域番号 |
01659512
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
渋木 克栄 理化学研究所, 国際フロンティア研究システム・思考ネットワーク, 研究員 (40146163)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 小脳 / 長期抑圧 / グルタメ-ト / カリウム電極 / 一酸化窒素 / cGMP |
研究概要 |
本年度の成果は以下のとおりである。 1.小脳プルキンエ細胞の発火活動を細胞外カリウム濃度の上昇反応としてイオン感受性電極でとらえた。 2.このカリウム上昇反応を指標として、平行線維と登上線維を同時刺激することによって、平行線維-プルキンエ細胞間のシナプスの長期抑圧現象を脳スライス標本上において再現することに成功した。 3.この長期抑圧現象が、一酸化窒素を特異的に吸着することが知られているヘモグロビンにより完全にブロックされることを見いだした。 4.長期抑圧現象が、平行線維と登上線維の組合せ刺激のみならず、一酸化窒素を発生させるニトロプルシドと平行線維刺激の組合せによっても、引き起こされることを見いだした。 5.一酸化窒素を検出することができる、微小電気化学プロ-ブを開発した。このプロ-ブによって、小脳分子層において白質刺激が一酸化窒素の上昇を引き起こすことを発見した。 6.一酸化窒素は細胞内cGMP濃度を上昇させることが知られている。このcGMPと平行線維刺激を組み合わせることによって、長期抑圧現象を引き起こすことができた。 7.以上の結果をまとめると、登上線維刺激により小脳分子層内に一酸化窒素が発生し、これにより細胞内cGMP濃度が高まり、さらにこのcGMPと平行線維の活性化がぶつかることによって平行線維-プルキンエ細胞間のシナプスの長期抑圧現象が引き起こされると結論される。 以上の成果に基づき長期抑圧現象の分子メカニズムの解析をさらに進めていく予定である。
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