研究課題/領域番号 |
01659513
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
加藤 隆一 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (40112685)
|
研究分担者 |
笹川 展幸 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (20187107)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 脱感作 / 細胞内カルシウム濃度 / カテコラミン分泌 / 副腎髄質 |
研究概要 |
各種刺激による神経伝達物質などの遊離には脱感作が起こることが知られているが、その機構には不明な点が多く、脱感作の機構を明らかにすることは刺激-分泌関連、特にその調節機構の解明に重要なことと考えられている。本研究では、培養牛副腎髄質クロマフィン細胞を用い灌流系においてCA分泌の測定と同時に細胞内遊離カルシウム濃度変化を経時的に測定する新しい方法を用い、脱感作の分子機構を明らかにすることを目的としている。(1)実験方法の確立:牛副腎髄質クロマフィン細胞は単離して、differential platingによる精製の後、minimum essential mediumに10%牛胎仔血清を補った培養液にMEM non-essential amino acids(x100)をlml/100ml加えた培養液中で、マイクロビ-ズと混合し、5-7日目に実験に用いた。この方法により細胞の剥離が最小限に抑えられた。さらに、試作品であるが、分解洗浄可能でデッドスペ-スが約70μlのセルが完成した。(2)本灌流系での各種刺激薬物の効果:培養牛副腎髄質クロマフィン細胞において、高カリウムまたニコチンのパルス刺激により340nm励起の蛍光強度の上昇と380nm励起の蛍光強度の減少、又その比の上昇が見られ、その反応に伴い急速なカテコラミン分泌が認められた。パルス刺激の場合には両刺激ともに細胞内遊離カルシウム濃度とカテコラミン分泌の増減はパラレルであった。一方、持続刺激の場合、ニコチンが灌流液中に存在するにもかかわらず、細胞内遊離カルシウム濃度とカテコラミン分泌の上昇は急速な脱感作(t1/2=60sec)を受けることが明らかになった。また、興味あることに高カリウム刺激の場合細胞内遊離カルシウム濃度は高いレベルを維持するが、カテコラミン分泌には急速な脱感作が生じた。この結果はニコチン刺激と高カリウム刺激とでは脱感作現象が異なること、さらに高カリウム刺激の場合、細胞内遊離カルシウム濃度上昇以後の過程がカテコラミン分泌の脱感作に関与していることが示唆された。
|