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応答の「時間微分」に関与するシナプス機構

研究課題

研究課題/領域番号 01659516
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

金子 章道  岡崎国立共同研究機構, 生物学研究所, 文部教官教授 (00051491)

研究分担者 鈴木 参郎助  岡崎国立共同研究機構, 生物学研究所, 助手 (40162945)
研究期間 (年度) 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード網膜 / 双極細胞 / マウス / カルシウム電流 / シナプス伝達 / γアミノ酪酸 / グリシン
研究概要

網膜の重要な機能の一つである「動き」の検出や「方向選択性」応答の成立のためには、いわゆる「応答の時間微分」が必要である。網膜神経節細胞の多くは一過性の光応答を示し、こうした条件で備えている。しかし、神経節細胞へ入力する双極細胞は持続的な光応答を示す。この事実は、応答のダイナミックスの変換は双極細胞と神経節細胞間のシナプスにおいて行われていることを示すものである。そこで本研究ではマウス網膜から双極細胞を単離し、電圧固定法によってそのカルシウム電流を解析したところ、双極細胞は一過性の性質を持つT型のカルシウム電流を持っていることが明らかになった。このカルシウム電流は、-55mVよりもプラス側で活性化され、-30mVで最大値に達した。不活性化は早く、-26mVでの不活性化の時定数は約100msecであった。不活性化した電流は膜電位を-96mVに保持すると、約一秒で完全に回復した。ジヒドロピリジン化合物(ニフェディピンやBay K8644)はこの電流に対し抑制効果も増強効果も示さなかった。電流は細胞体部だけでなく、シナプス終末部にもみられたので、このカルシウム電流が双極細胞からの伝達物質の放出を制御していることが考えられる。カルシウム電流が一過性の性質を持っていることは伝達物質も一過性である可能性を示しており、それによって引き起こされる神経節細胞の光応答は一過性のものになることを示唆している。事実、マウス神経節細胞は光刺激のONとOFFに著明な一過性の光応答をしめすことが知られている。

報告書

(1件)
  • 1989 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Kaneko,A.,Tachibana,M.& Pinto,L.H.: "Transient calcium current of retinal bipolar cells of the mouse." Neurosci.Research. Suppl.10. S67-S76 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Suzuki,S.,Tachibana,M.& Kaneko,A.: "Effects of glycine and GABA on isolated bipolar cells of the mouse retina." J.Physiol.421. 645-662 (1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 金子章道: "色覚に関する情報処理 三原色と反対色" 蛋白質 核酸 酵素. 34,(5). 652-662 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 金子章道: "網膜の視覚情報処理機能" 科学. 59. 510-519 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 金子章道: "網膜細胞の単離" 医学のあゆみ. 150(No.9). 589-589 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Kaneko,A.& Tachibana,M.: "Physiology and Pharmacology of Transmembrane Signalling(eds.T.Segawa,M.Endo,M.Ui & K.Kurihara)" Elsevier, 404 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Kaneko,A.,Tachibana,M.& PInto,L.H.: "Neurobiology of the Inner Retina(edited by R.Weiler & N.N.Osborne)" Springer-Verlag, 529 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書

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公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

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