研究課題/領域番号 |
01660004
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
岡田 吉美 帝京大学, 理工学部, 教授 (30011703)
|
研究分担者 |
町田 泰則 名古屋大学, 理学部, 教授 (80175596)
岩淵 雅樹 京都大学, 理学部, 教授 (30000839)
大野 哮司 北海道大学, 農学部, 教授 (00011726)
山田 康之 京都大学, 農学部, 教授 (50026415)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
1989年度: 14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
|
キーワード | Tiプイラスミド / TーDNA / トランスジェニック植物 / 形質転換個体 / GUS活性 / 外来遺伝子の不活化 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
外来遺伝子を植物細胞の染色体に導入してトランスジェニック植物をうる技術はほぼ確立し、農薬耐性植物、ウイルス抵抗性植物などの有用植物がすでに実用の段階にある。しかし導入された外来遺伝子が生殖過程を通して何代も先まで安定して保持され、その機能が発現されなければ、種の壁をこえる新しい育種法としてのトランスジェニック植物の作出はその意義を失う。このような視点に立って本研究班は生殖過程における外来遺伝子の組換え、変異、欠失などに関する基礎的知見を分子生物学的手法によって研究し、生殖過程を通しての外来遺伝子の安定性、不安定性の分子的基盤を明らかにしようとしている。 この目的のため、岩淵はCaMV35SRNAプロモーター/GUS遺伝子の融合遺伝子とNPTII遺伝子を同時に持つDNAをTーDNAを介してタバコに導入し、Km耐性でGUS活性を持つRo個体を作出した。このような個体群の中から、ゲノム中に上記DNAを1コピーだけ持つ個体を選び自家受粉によってR_1個体を多数得た。その中からKm耐性の約70個体をランダムに選び、それらのGUS活性を測定したところ、全くGUS活性を持たない個体を4ケ見出した。この結果は生殖過程を通すことにより、挿入された外来遺伝子が何らかの形で相当高い頻度で不活化していることを示している。同様な外来遺伝子の不活化現象はタバコモザイクウイルスゲノムを導入したトランスジェニックタバコを用いた岡田の実験でも観察され、我々が想像していた以上に外来遺伝子が不安定であることが示唆された。 挿入された外来遺伝子の安定性を決定すると思われる挿入箇所周辺の塩基配列について町田は研究し、相同組換えの可能性を示した。山田は生殖過程によって核ゲノムの配列の一部が切り出されて、プラスミド様DNAとなりうる可能性をイネにおいて示した。
|