研究課題/領域番号 |
01810002
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小嶋 祥三 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70027499)
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研究分担者 |
林 基治 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (10027500)
三上 章允 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (40027503)
久保田 競 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (30027479)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1989年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | アカゲザル / 脳内透析法 / 高速液体クロマトグラフ / 遅延反応 / 前頭連合野 / ド-パミン / ノルエピネフリン |
研究概要 |
アカゲザルの前頭前野が、空間位置の短期記憶に関係する遅延反応課題の遂行に重要であることは、切除、破壊研究が示してきた。最近、この領域の神経伝達物質と遅延反応の関係が問題にされるようになってきた。本研究は脳内透析法を用いて、遅延反応を遂行中のサルの前頭前野で放出されるモノアミンなどを回収し、液体クロマトグラフに定量する。この脳内透析法の有効性を次の3点から検討した。1)前頭前野が深く関与する遅延反応課題と、そうでない統制課題では伝達物質の放出量が異なると予想されるが、この方法はこの相違を検出できるか?2)前頭前野と遅延反応の関わりは一様でなく、主溝領域が特に重要といわれてきた。この方法はこの部位差を検出できるか?3)前頭前野において伝達物質の放出には層差がある。このような層差をこの方法は検出できるのだあろうか?そこでアカゲザルに遅延反応課題と、前頭前野の関与が小さい非遅延の統制課題を訓練し、これらの課題を遂行中に、脳内透析法を用いて前頭前野からド-パミン、ノルエピネフリンなどを回収し、定量した。その結果、1)遅延反応の遂行時に、統制課題の遂行時と比較して、多くのド-パミンが放出されていた。2)主溝領域は弓状溝領域と比較して、遅延反応でド-パミンがより多く放出される傾向が顕著であった。3)ド-パミンの放出は微量なため、透析膜の部分を長くせざるをえず、層の差を検出することはできなかった。。また、遅延時間延長とパ-ジリン投与はド-パミンの放出を増加させ、遅延反応の成績を低下させる効果をもった。後者の操作は、測定しているものがド-パミンであることの証拠となり、また透析膜を通して物質を投与する新して方法の可能性を示唆した。今後、アルミナ処理より不純物を取り除き、これらの結果の再現を確認したい。
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