研究課題/領域番号 |
01840009
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
端 恒夫 京都大学, 理学部, 教授 (10025231)
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研究分担者 |
村本 孝夫 滋賀大学, 教育学部, 助手 (80024925)
薮崎 努 京都大学, 理学部, 助教授 (60026127)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1989年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 光学的磁気共鳴 / コヒ-レント過渡現象 / レ-ザ-分光 / 高分解能磁気共鳴 / スピンエコ- / 結晶構造 |
研究概要 |
現有のラマンヘテロダイン方式磁気共鳴検出装置に、交付申請書に記載した改良を加えた。即ち空間的分解能を向上させるため、長焦点集光の状態でレ-ザ-光のビ-ム径を100μm程度にまで絞り、レ-ザ-光の位置をレ-ザ-光の進行方向に垂直に、精密かつ可逆的に移動させる機構を整備した。また高周波増幅器の出力を増加し、90、180パルスの幅を短くし、2-パルススピンエコ-のみならず、カ-パ-セル多量パルスエコ-、ステイミユレ-トエコ-等も検出出来るようにした。更にアルゴンレ-ザ-ヘッド(出力6W)を新設し、色素レ-ザ-出力を増加させると共に安定化させ、検出感度を高めると共に光源に由来する雑音を減少させた。 整備された装置を用いて、Pr^<3+>:LaF_3のPr核について、静磁場約100 Oeのもとで、局所的NMRの研究を行った。先ず、レ-ザ-ビ-ムの位置によって磁気量子数±5/2-±3/2遷移のスピンエコ-信号が反転する現象(我々によって既に報告済)を更に精密に測定し、LaF_3結晶が双晶構造をもつことを確認した。次にこの試料におけるラマンヘテロダイン信号の対称性を一般的に検討した。即ち静磁場の反転による信号の変化と、双晶構造による2つのsiteの信号の相違を関連させて検討し、我々が理論的に導いた一般的な対称性の法則と系の幾何学的な対称性を用いてすべて説明出来ることを示した。更に局所的な位相緩和時間の測定を行ったが顕著な相違は見られなかった。これは我々が用いた試料(Pr濃度 0.1%)では緩和がPr核の周りのF核による揺動磁場で決まっていることを反映している。更に濃度の濃い試料を用いるならば場所による相違が観測される可能性があると考えられる。またレ-ザ-光を光遷移の裾の部分に同調させれば構造的なばらつきの影響がより著しく現れることが予想される。
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