研究分担者 |
大隅 多加志 (財)電力中研, 我孫子研究所・水理部, 主査研究員
野尻 幸宏 国立害研究所, 水質計測部, 研究員 (10150161)
山野 誠 東京大学, 地震研究所, 助手 (60191368)
中山 英一郎 京都大学, 理学部, 助手 (50108982)
蒲生 俊敬 東京大学, 海洋研究所, 助手 (70143550)
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研究概要 |
本研究の目的は、海底熱水域(本邦近海では沖縄トラフ、伊豆、小笠原、マリアナ海域においてすでに発見されている。)および、海溝域における冷水湧出域(南海トラフ,相模トラフなど)における熱水、冷水ベントに設置し、長期にわたり化学組成の変動を観測するための海底化学ステ-ションの試作にある。測定項目としては、各種センサを検討したのち、フロ-インジェクション方式の比色法によって、硫化水素とシリカ、電極法によりpH,酸素,二酸化炭素分圧を選定した。 試作した装置は、(1)CPU,各種電源,アンプを組みこんだアルミニウム耐圧容器,(2)吸光度セル,各種電極,流路交換バルブ,試薬,標準液および試水(海水)を一定速度で流すためのペリスタリックポンプ(WatsonーMarlow Mc,10連)およびこれを駆動するためのモ-タ-を配置した油漬被圧容器および各種試薬,標準試薬を入れた外付けバスケットより成っている。吸光度セルは、モ-ルドタイプのLEDシリコンダイオ-ドを用いた光路2cmのセルを開発した。PH電極,溶存酸素電極は,マグネチックスタ-ラ-型研磨電極のものを新たに開発した。二酸化炭素電極は、ガス透過性薄膜とpH電極を組合せた隔膜型電極である。上記装置を平成元年度に一応組立て、神戸商船大学の耐圧試験水槽に200気圧までのテストを2回実施し、各部の作動状況をチェックし、電極バルブなどの不具合を改良した。これらの結果、硫化水素、シリカ、PH、溶存酸素については水圧200気圧まで満足に作動することを確認したが、二酸化炭素電極については、更に改良が必要であることが判った。東京大学海洋研究所の淡青丸によりこの月末に実地テストをおこなう予定である。
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