研究課題/領域番号 |
01840025
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析・地球化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
横山 友 大阪大学, 理学部, 教授 (10028095)
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研究分担者 |
福本 敬夫 大阪大学, 理学部, 教務員 (10199268)
文珠四郎 秀昭 大阪大学, 理学部, 助手 (80191071)
樋上 照男 大阪大学, 理学部, 助手 (50143821)
渡辺 巌 大阪大学, 理学部, 助教授 (50028239)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1989年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | 光電子放射分光 / 表面分析 / 仕事関数 / 半導体薄膜 / 金属薄膜 / 薄膜 |
研究概要 |
光電子をプロ-ブとして用いる分析法は、本質的に表面感度が高く、表面分析法として広く用いられている。しかし、従来の光電子分析法は、真空中でのみ測定が可能であり、適用できる試料に制限があった。これに対し、本研究で開発した常圧光電子放射分光分析法は、大気下で試料表面に紫外線を照射し、放出される光電子を同じ大気中で計測するユニ-クな表面分析法である。 本研究では、この常圧光電子分析装置を試作し、これに改良を加えながら実験条件を検討し、その基本的な性能を評価した。さらに、この方法を新しい表面分析法として確立するための基礎的なデ-タを収集した。実際には、各種の金属、半導体、蒸着金属薄膜、及びこれらの表面に適当な化学処理を施したものを試料として常圧光電子放射スペクトルの測定を行なった。これにより次のような知見を得た。 光電子放射スペクトルから得られる情報は、光電子放射閾エネルギ-Et、光電子放射収率Y、光電子放射スペクトルの形状があげられる。Etは、それぞれの試料に特徴的な値を示すが、その表面状態、例えば表面への水や有機物の吸着などによっても非常に敏感に変化する。また、超微粒子については、その粒子の大きさに対応して変化することがわかった。したがって、このEtの値を用いて試料の物性や表面状態を定性的に評価することができる。また、光電子放射収率は、試料表面の酸化層の厚みや汚染有機物の量によって大きく変化する。酸化シリコン、酸化アルミニウム、炭化水素について、これらの層内での電子の脱出深さを実験的に見積もったところ、それぞれ15,11,6Åという値を得た。これらの値は、XPSなどの表面分析法と同等または、それ以下であり、本方法が表面に対して非常に感度が高いことを示している。光電子放射スペクトルの形状は、Etと同様に試料の物性や表面状態に特徴的なものであり、試料の電子構造の知見を含んでいると思われる。これに対して、スペクトルの微分を用いるデ-タの解析法を提案した。
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