研究課題/領域番号 |
01850016
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理計測・光学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 哲郎 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (10029522)
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研究分担者 |
中村 健次 島津製作所, 第一科学計測事業部技術部, 課長
山本 裕志 島津製作所, 第一科学計測事業部技術部, 部長
森本 朗裕 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (00142307)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1989年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 高分解能分光器 / 光通信 / 光変調 / サイドバンド / 分光 / ギガヘルツ / 光計測 |
研究概要 |
現在進展が著しい高速光通信や光信号処理等の研究分野では電気信号クラスの周波数分解能をもつ高速応答で高分解能のコンパクトな分光システムが非常に有用となっており、その開発が急務とされている。そこで、本研究では、高価な大口径の回折格子やダブルモノクロメ-タを使うことなく、回折格子を多重光路で使用すると言う本研究者独自の方法を採用して、従来にない高分解の小形分光器を開発し、上述分野のみならず広く分光計測に貢献することを目的として研究を進めた。以下に得られた主な成果を述べる。 1.新しい分光システムの設計・試作と分解能の理論的考察 回折格子1枚と平面鏡あるいは、対抗させた2枚の回折格子の間で光を多重回折させると言う本研究者考案の新形多重回折分光器の設計(2〜4段)、試作(2段)を行った。また、この構成ではn回回折では分解能がほぼn倍向上することを理論的に導いた。なお、出力部は高感度TVカメラを用いてCRTモニタで回折像と強度分布を同時表示できるようにした。 2.基本動作試験 半導体レ-ザの縦モ-ド観測により基本動作確認と分解能チェックを行った。この結果2段構成で約2GHz(800nm)と現在最高級に位する高分解能をもつことが確認された(1989秋季応物発表)。 3.開発した分光器を用いた電気光学変調のサイドバンド観測、光信号シンセサイザへの応用法の確立(ピコ秒エレクトロニクス国際会議にて招待講演)。 今後の課題 当初予定の15cmの回折格子の納入が大幅に遅れ、これを用いた実験は達成できなかった。しかし、高分解能化の基本機能が確認されたので、今後はこれを用いさらに高分解能化を目指す。その結果、2段構成で570MHz(800nm)、4段で285MHz(800nm)の世界記録が達成できる見通しである。
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