研究課題/領域番号 |
01850023
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械材料工学
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研究機関 | 弓削商船高等専門学校 |
研究代表者 |
高尾 健一 弓削商船高等専門学校, 電子機械工学科, 教授 (50039286)
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研究分担者 |
楠川 量啓 弓削商船高等専門学校, 電子機械工学科, 講師 (60195435)
鶴 秀登 弓削商船高等専門学校, 電子機械工学科, 助教授 (10038060)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 疲労き裂 / き裂伝ぱ / き裂開閉口開始荷重 / 交流ブリッジ法 / 開閉口荷重検出装置 / 電解抵抗の変化 |
研究概要 |
き裂開閉口開始荷重を高精度でしかも簡単に検出できる装置を開発した。試験片表面のき裂をまたぐ2点間の電気抵抗は、荷重サイクル中の負荷過程においてき裂先端が開口を開始するまでは荷重の増加とともに増加するが、開口を開始すれば逆に減少する。また除荷過程では増加ののち閉口後では減少する。各種電子部品を用いて製作した本装置はこの微少な電気抵抗の変化を交流ブリッジ回路を応用して検出し、装置の出力と荷重との関係からき裂先端の開閉口開始荷重を求めるものである。 軟鋼および中硬鋼試験片について引張り圧縮疲労試験を行い、以下の結果を得た。き裂先端近傍領域のひずみ分布の測定から、き裂先端の開口にともなってかなり大きい圧縮の塑性ひずみ受ける領域が発生し、このことが電気抵抗が増加から現象に移ることに対応することが分った。本装置による開閉口荷重と高精度な光学的方法によるものはほぼ一致した。除荷弾性コンプライアンス法による開閉口荷重は常に本装置によるものより低く、き裂伝ぱ速度の減少にともないその差は大きくなる。伝ぱ速度が0の停留き裂では、き裂先端が開閉しないため出力は増加から減少には移行せず、従って先端が開口しないことを示すが、除荷弾性コンプライアンス法では先端は開口したままである。除荷弾性コンプライアンス法を改良した除荷曲線の変曲点をき裂閉口点とするS字形除荷曲線法による閉口荷重は本装置の結果より少し低めであるが、ほぼ一致する。また2種の鋼材に対するき裂伝ぱ速度da/dNと有効応力拡大係数範囲△Keffの関係は両対数グラフ上でほぼ直線となるが、傾きは本装置によればほぼ2となり、他の測定法によるものより小さい。傾きが2となることはき裂伝ぱ速度がき裂先端の繰返し塑性ひずみ幅に比例することを示しており、極めて重要な意味をもつものである。
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