研究課題/領域番号 |
01850035
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械要素
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山浦 弘 東京工業大学, 工学部, 助手 (80210326)
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研究分担者 |
植本 浩紀 (株)リコー, 生産技術研究所, 研究員
山本 浩 東京工業大学, 工学部, 助手 (20220494)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
15,700千円 (直接経費: 15,700千円)
1990年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1989年度: 13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
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キーワード | 静圧気体軸受 / 櫛形溝軸受面 / 高減衰 / 減衰 / 剛性 / 静的圧力分布 / 給気孔紋り / 溝 / エアスライダ- / 溝付き給気孔絞り / エアスライダ-の動特性 |
研究概要 |
本研究は、静圧気体軸受の固有振動数近傍の減衰を最も高め得る軸受構造を明らかにし、高減衰を有する空気軸受スライダ-を実現することを目的とし、以下の成果を得た。 (1)一次元静圧気体軸受モデルにおいては、減衰Bの最大値は軸受面内定常圧力P_0が高いほど大きくなり、σ→0における剛性K_<st>(静剛性)が低いほど大きくなる。また、軸受面中央部の領域を複数本の溝により分断することにより、局所スクィ-ズ数がほぼ10となるときBを極大とすることができる。 (2)一次元静圧気体軸受モデルにおける解析結果に基づき、従来の外周溝付き給気孔紋り形軸受面の中央部を複数本の溝により分断することにより、軸受面の圧縮性効果を低減し減衰を高め得る「櫛形溝軸受面」を提案した。溝深さを深くするにつれ、σの高い領域におけるBは高くなるが、溝を深くし過ぎるとσの低い領域でBが負となるため、Bが極大となるσを固有振動数に対応するσに近づけ、σの低い領域においてB>0となる範囲で溝を深くすることにより、共振点における減衰比を高めることができる。そして、一定の静剛性を有し、かつ特定の共振点における減衰比を高め得る軸受面の設計手法を提示し、無次元剛性0.3を満足し、減衰比0.23を有する高減衰空気軸受スライダ-の設計諸元を提示した。 (3)60×60mmの櫛形溝軸受面4面を有する試作スライダ-の軸受特性は、現在最も高い剛性を有する外周溝付き給気孔紋り形静圧気体軸受の1.2倍の剛性を有しながら、減衰比は2.2倍の0.065であり、当初の目的である減衰比0.3に比べ低いものの、従来に比べ高い減衰を有する空気軸受スライダ-を実現することができた。 最後に、軸受すきま、給気孔径の寸法精度をより高めることにより空気膜の減衰を高めるとともに、軸受構造体の弾性変形の影響を小さくすることにより、空気軸受スライダ-の減衰比を0.2以上にし得ることを示した。
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