研究課題/領域番号 |
01850062
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉野 勝美 大阪大学, 工学部, 教授 (70029205)
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研究分担者 |
小野田 光宣 (小野田 光宜) 姫路工業大学, 電気工学科, 助手 (80128785)
大沢 利幸 リコー(株)中央研究所, 研究員
杉本 隆一 三井東圧化学(株)大阪工業所, 研究員
尾崎 雅則 大阪大学, 工学部, 助手 (50204186)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 絶縁体一金属転移 / 光記録 / 導電性高分子 / 光誘起ド-ピング / ポリ(3ーアルキルチオフェン) / ポリ(Pーフェニレンビニレン) / ESR測定 / 高次構造 / 絶縁体ー金属転移 / ポリ(pーフェニレンビニレン) / ポリチオフェン / ポリパラフェニレンビニレン |
研究概要 |
可逆絶縁体一金属転移の光記録への応用に関連し、まずその基礎特性を明らかにするため種々の導電性高分子を合成しその絶縁体高一金属転移における速度論、安定性、メカニズム、電子状態の変化などをしらべ、更にこれらの諸特性と導電性分子の分子構造、高次構造等との関連を検討した。また光感受性ド-パントを用いた光誘起ド-ピングを試み書き換え可能な光記録を実証した。以下に要約を記す。1.絶縁相における導電性高分子の色はその禁止帯幅を反映している。禁止帯幅は導電性高分子の分子構造、高次構造に強い依存性を示しポリ(Pーフェニレンビニレン)の場合には置換基の導入により約0、5ev狭くなりポリ(3ーアルキルチオフェン)の場合には温度などの外的因子によりもたらされる高次構造の変化により約0.2eV程度の変化を示す。2.ポリ(3ーアルキルチオフェン)やポリ(Pーフェニレンビニレン)に側鎖を導入することにより価電子帯上端のエネルギ-が上昇し金属状態の安定性が向上する。3.これらの導電性高分子は電気化学ド-ピングによって可逆な絶縁体一金属転移を示し、この現象が可逆なポ-ラロン・バイポ-ラロンの形成に起因することがESR測定などから明らかになった。4.化学重合法により合成したポリ(3ーアルキルチオフェン)、ポリ(Pーフェニレンビニレン)などの電気化学的ド-プ・脱ド-プ過程の速度はド-プ、脱ド-プの繰り返しにより早くなることが見い出された。更にポリマ-中のド-パントイオンの拡散係数が同様の活性化を示すことが明らかになった。5.光感受性ド-パントとしてジフェニルヨ-ドニウムヘキサフルオロアニセネ-トを複合化したポリ(3ーアルキルチオフェン)膜は光照射により光誘起ド-ピングを受け絶縁体一金属転移に特有の色、導電率の変化などを示すことが明らかになった。以上のように本研究の目的、主な研究計画はほぼ達成された。
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