研究課題/領域番号 |
01850111
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
コンクリート工学・土木材料・施工
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
大津 政康 熊本大学, 工学部, 助教授 (80109016)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | アコ-スティック・エミッション / 逆波形解析 / ひびわれ発生機構 |
研究概要 |
本研究は、AE波形の理論解析の成果に基づいて逆解析法を開発することを目的としたものである。これは、多点において同一のひびわれに対するAE波形が検出された場合、このAE波形の理論解析よりひびわれのモデルを同定しようとするこのであり、対象としているのはひびわれの発生位置、ひびわれの種類、ひびわれの運動方向である。 平成1年度の研究により、これらのひびわれの幾何学的情報を決定するには、AE波形の理論式においてモ-メントテンソルを決定すればよいことが明らかになった。このため6チャンネル以上の計測点でP波初動の振幅値が計測されていれば、テンソルの成分を決定することの出来るソフトウェアSiGMAを開発した。そして、モ-メントテンソルの固有値の特性を解明し、3つの固有値の値より引張ひびわれかせん断ひびわれかの分類が可能となることを明らかにした。この時、引張ひびわれの開口方向は第1固有ベクトルの方向として決定され、せん断ひびわれの方向は第1固有ベクトルと第3固有ベクトルの和と差とから決定出来る。 平成2年度の研究では、この手法におけるソフトウェアの開発を完成させた後に、現場試験への適用性とコンクリ-トのひびわれ発生機構の解明への有効性について研究した。 現場試験として、岩盤における原位置での静水圧破壊試験で検出されたAE波形にソフトウェアを適用し、解析を行った。また、コンクリ-トのひびわれ発生機構の解明としては、アンカ-ボルトの引き抜き試験および円筒引張試験でのAE波形の解析を行った。いずれの結果でも、実際に観察されたひびわれ面とAEにより同定された位置および機構はよく一致しており、開発された手法の有効性が示されたと考えられる。
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