研究概要 |
本研究では以下の特微をもつ可視化用光源を開発し,さらに,画像処理を組み合わせることにより,砕波などの高速かつ非定常の現象で可視化手法による定量的デ-タの取得法を確立することを目的としている。 (1)レ-ザビ-ムを振動鏡方式でスキャンして光量の大きいレ-ザシ-ト光源を得る。 (2)レ-ザシ-ト光は凹面鏡を介して平行光とする。 (3)レ-ザビ-ムをパルス化することにより得られた可視化画像に時間情報を記録する。 (4)レ-ザおよび(2)の特性を利用してレ-ザシ-トに等間隔の陰線を付けて空間スケ-ルを同時に記録する。 (5)光源部と照射部を光ファイバでつなぐことにより操作性の高いものであることとする。 光源装置の試作と画像処理法の開発とを並行して行った。前者については,初期に考えていた性能の装置を組み立てることができた。すなわち,平行性がよく,照度のむらがなく,空間スケ-ルの入った可視化用光源を得ることができた。しかし,当初予想しなかったこととして,スキャナ-の発振音がかなり大きいということが判明したので,装置全体の容器内への収納,架台の改良を追加して行った。また,ファイバ-導光部の損失の減少は十分満足のいく結果が得られなかったので,ファイバ-をファイバ-を介さないシステムについて主に検討した。画像処理に関してはトレ-サを自動的に追跡するアルゴリズムの開発を行った。さらに内挿法で任意の場所の流速を計算するプログラムの開発を行った。以上より,単に流速場を知るのみでなく,渦度,発散などの変形諸元の分布が計算できるようになった。
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