配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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研究概要 |
大規模海岸構造物による海岸侵食の機構から,その侵食制御法を展開し,適用性について検討したが,得られた成果は次のように要約される。 1.大規模海岸構造物による海岸侵食は,(1)沿岸漂砂の阻止,(2)構造物による波浪の変形とそれによる海浜流の形成,(3)侵食対策工による反射波の発生による主要要因によって発生することと数値シミュレ-ションによって明確にした。ついで,その侵食制御の基本的条件を究明し,海岸の安定化を目的として安定海浜の形成理論に立脚した海岸侵食制御論として安定海浜工法を展開した。 2.海浜変形予測のための数値モデルを波浪変形,海浜流および漂砂・海底地形変動の協同現象としての取扱いによる3ーDモデルを構築し,さらに漂砂の分級作用を導入した長期海浜変形モデルを構築した。3ーDモデルにおいては,砕波帯における混合拡散保数の導入を試みるとともに,それによって安定海浜の形成過程を究明するとともに,長期海浜変形モデルによっては大規模構造物による海浜変形の予測を試み,それらの適用性を明らかにした。数値シミュレ-ションにより安定海浜の形成に伴う海底地形の変化と海浜流の発生についても詳細に検討し,安定海浜工法の適用性に言及することができた。 3.現地海岸への適用に当っては,大潟海岸に試験施工中のヘッドランド周辺の海底地形の変化を調べるとともに,その予測を試みた。さらに,河口デルタの形成,縮少過程を究明し,デルタ地形の縮少に伴う海岸侵食についても考察した。これらの成果を基にして,大規模海岸構造物による海岸侵食制御の方法論を展開し,安定海浜の形成による侵食制御を目的とする安定海浜工法を提案し,その適用性を見出すことができた。
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