研究分担者 |
冨長 勇作 北海道大学, 工学部, 助教授 (80003200)
根岸 正充 北海道開発局, 開発土木研究所・農業開発部, 室長
酒井 洋輔 北海道大学, 工学部, 助教授 (20002199)
樋口 澄志 北海道大学, 工学部, 教授 (20002040)
中島 巌 北海道大学, 工学部, 教授 (50001243)
大賀 光太郎 北海道大学, 工学部, 助手 (40133706)
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配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
1991年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1990年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1989年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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研究概要 |
平成元年度〜3年度に実施した本研究課題の研究経過と結果は下記の通りである。第一に,岩盤斜面をブロックモデルでシミュレ-トし,斜面とブロック間の吸着力をマグネットで与え,吸着力をコンピュ-タにより電磁制御する電磁制御モデル実験システムの開発を行なった。開発した電磁制御モデル実験システムでは144個のマグネットの吸着力を個別にほとんど同時に0〜7.6kgfの間で制御することが可能である。高分子ポリエステル製ブロックを斜面に吸着させて行なった崩壊実験の結果,「平滑な斜面においては崩壊物の下端,上端,中央部の順で乱れながら崩壊する」,「障害物のある斜面では崩壊物が障害をしゃくとり虫のように乗り越える」という運動原理が明らかになって来た。第二に,岩塊の落石挙動と衝撃荷重の計測を実施した。この計測からは,「斜面角度が75゚を超えると,衝撃荷重の水平分力が斜面から遠ざかる方向から山側に転ずる」,「落石形状が平板状の場合は衝撃荷重のバラツキが大きい」等の興味ある結果が得られている。特に衝撃荷重ベクトルの方向に関する知見は従来言及されていない事項であり本研究の成果と言える。 第三に,斜面のジョイント間隔分布から大塊の落石が生ずる可能性を確率論的に推定するため,斜面のジョイント間隔分布と落石の粒径分布の関連性に関するフィ-ルド測定を実施した。北海道の通称黄金道路沿いの斜面において測定・解析した結果からは,「両分布ともワイブル分布にしたがい,両分布の形状母数mと平均値μの間には一定の規則的な関係が存在しそうである」事が判明しつある。第四には,本研究課題に関連する研究として,北海道層雲峡の急崖の崩壊予知に関する研究に着手した。AE法を利用した微小破壊音のモニタリングシステムにより,崩壊と前兆現象の有無をモニタリング中である。現在のところ,AEイベント数が冬期に少なく,融雪期・夏季に多いという結果が得られている。
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