研究概要 |
本研究はジオトモグラフィの地下空間の有効利用への適用を目的として平成元本度から2ケ年計画で実施され、ジオトモグラフィに特有な弾性波の屈折・回折現象と発振点と受振点配置の空間上の制約から派生する問題の解決および解析誤差の評価と解析精度の向上を主眼において研究を実施した。 弾性波トモグラフィのうち速度トモグラフィにおいては、 1.非線形の解析システムの構築, 2.傾斜層に対する検出限界のチェック, 3.解析座標回転による解析精度の向上, 4.AIC(赤池の情報量規準)の利用による解析結果の評価と精度向上, 5.ある一つの発振点・受振点の組に対する複数の波線経路を採用した解析手法の開発, 6.現地実験によるデ-タ取得と現地デ-タの解析システムへの適用,を行うとともに、新しいジオトモグラフィ技術として初動振幅値の利用による減衰トモグラフィの解析システケの開発を行い、この手法と速度トモグラフィとを現地実験デ-タへ適用し、これらの手法が地下空間の有効利用のために効果的に利用しうることを確認した。 比抵抗トモグラフィにおいては、 1.探査対応象物の応答を効果的に捉えるジオトモグラフィのための電極配列の検討, 2.逆解析における初期値形成のための合理的手法の開発,を行い、多くの有益な知見を得た。
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