研究分担者 |
加藤 隆 名古屋工業技術試験所, 機械部, 主任研究官 (90093012)
工藤 英明 東京電機大学, 工学部, 教授 (90017848)
中村 示 帝京大学, 理工学部, 教授 (10029431)
品川 一成 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (30215983)
森 謙一郎 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (80127167)
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研究概要 |
冷間鍛造製品の工程設計を支援するため,冷間鍛造工程設計用エキスパ-トシステムのプロトタイプを作成した.システムは主に,製品の登録,工程の推定,工程の優先順位の決定,加工可能かどうかの評価からなる.まず,専門家またはFEMシミュレ-ションの結果から工程設計の知識を獲得し,冷間鍛造知識ベ-スを構築した.また,製品形状を記述する幾何学的なプロダクトモデルを提案した.製品の工程推定には,製品工程デ-タベ-スに登録してある製品とパタ-ン認識を行い,工程を探し出す方法と,従来の製品工程をニュ-ラルネットワ-クに学習させ,工程を推定する方法との二つの方法を試みた.工程候補の優先順位では,統計学的手法またはニュ-ラルネットワ-クにより経験デ-タを利用して決定する方法を提案した.加工可能性を保証するため,工程評価の最終段階で材料流れや欠陥発生の有無などをFEMシミュレ-ションで検証する方法を提案した. システムのプロトタイプの作成により,次の問題点などが明らかになった. (1)専門家から大量の知識を獲得し,知識ベ-スを充実させ,知識を処理しやすくする必要がある. (2)工程の優先順位の決定に用いた経験デ-タはデ-タ量が少ないため,得られた関係式やニュ-ラルネットワ-クの適用範囲等を再検討する必要がある. (3)金型の破壊,金型の寿命,加工製品の欠陥などを剛塑性有限要素法シミュレ-ションで予測し,それをエキスパ-トシステムに組み込む必要がある. (4)工程のコストの計算,経済性の評価などもル-ルとしてシステムに組み込む必要があり,生産における経済性を評価する方法について研究する必要がある.
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