研究概要 |
既に製作済の透過型EXAFS測定装置に対し、本補助金によって蛍光検出用の付属品を開発し、それを用いて以下の研究を行った。 1 蛍光検出による薄膜のEXAFS測定 スピンコ-ティング法によってガラス基板上に数百A^^゚〜数十μの酸化鉄薄膜と調製し、本装置を利用しての蛍光検出法によるEXAFS測定の限昇をテストした。その結果1000A^^゚程度の薄さのものまでは十分測定が可能であることが判明した。 2 蛍光検出による溶液のEXAFS測定 鉄、コバルトなどを含む種々の濃度の水溶液のEXAFS測定を試み、こうした系に対しては5mM/l程度まで測定の可能であることを実証した。この1,2の結果は本装置の詳細を報告した日本応用物理学会政文誌の詣文で紹介した。 3 N,Nーシメケルホルムアミト溶液中のコバルトイオンおよびテトラクロロコバルト錯体の構造 本装置を利用して上記の研究を行った。コバルトは溶媒の性質あるいは濃度によって4配位もしくは6配位をとり、それに応じてコバルト一配位〓〓の距離〓変る〓〓〓〓〓溶解度が低く、研究が難してので蛍光EXAFS法が適した系である結果の詳細は日本化学会政文誌に投稿済みである。 4 各種の溶媒中の鉄ポルフィリン錯体の構造 この系も生体科学的興味にもかかわらず3同様の理由で研究例少くブレ-クスルーが待たれている。これについては現在も測定、検討中であり、近い将来発表の予定である。
|