研究課題/領域番号 |
01850176
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳田 博明 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (20010754)
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研究分担者 |
梶原 貞次郎 綜合警備保障, 技術研究室, 主任研究員
稲葉 稔 徳山曹達, 筑波研究所, 研究員
中村 吉伸 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (30198254)
宮山 勝 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (20134497)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1989年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 赤外線センサ / 半導性セラミックス / チタン酸バリウム / PTCサ-ミスタ / 炭化珪素繊維 / カ-ボン繊維 / 人体検出 |
研究概要 |
赤外線エネルギ-による温度上昇を電気抵抗変化として検出する熱型赤外線センサの材料として半導性BaTiO_3および半導性SiC繊維について基礎電気物性、赤外線検知特性を測定し、以下の成果が得られた。 (1)高感度用半導性BaTiO_3:大きな赤外線感度を持つためには大きな抵抗ー温度係数αが必要である。半導性BaTiO_3はキュリ-点(約120℃)付近で抵抗急増(PTC特性)を示し大きなα値が得られるが、その温度に精密に設定する必要がある。そこで、適当な電圧を印加し自己発熱させ、PTC特性により自己温度制御させた状態で赤外線の検出を試みた。材料組成の検討により、【○!1】Ba_<0.997>La_<0.003>TiO_3+2mol%SiO_2+0.07mol%MnO_2、【○!2】Ba_<1.0>Nb_<0.003>Ti_<0.997>O_3+1mol%TiO_3+0.07mol%MnO_2でαがそれぞれ18および78%/Kのものが得られた。いずれも外気温が22℃〜96℃に変化しても自己温度制御により素子温度は120+10℃の範囲に設定できた。20℃での赤外線感度はそれぞれ約300および500(V/W)であり、αが大きい程感度が大きくなることが立証された。また、Srを固溶させキュリ-点を25℃に低下させた素子では、約800(V/W)というさらに高い感度が得られた。 (2)高速応答用半導性繊維:繊維形状であると熱容量が小さいため温度変化、抵抗変化が高速で生ずる。SiC繊維を用いた素子で、繊維長さ(電極間距離)を短くすると応答速度が速くなることがわかり、最高1.3ミリ秒という高速応答が得られた。また、各種の繊維を用い検出特性を比較した結果、感度は、抵抗ー温度係数に比例することが確認され、カ-ボン繊維が同じ比抵抗値でも大きな抵抗ー温度係数、すなわち大きな感度を示すことを発見した。このカ-ボン繊維を用いて赤外線センサを試作したところ、人体に対して、静止状態でも、また瞬間的な移動に対しても十分な応答を示すことが確認された。
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