配分額 *注記 |
11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1989年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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研究概要 |
エイズ(Acquired Immunodeficiency Syndrome)薬の開発はあらゆる角度から進められているが,われわれは硫酸化多糖からエイズ薬を合成しようと研究して来た。モノマーから重合させて作った硫酸化リボフラナン,硫酸化キシロフラナン,および硫酸化デキストランは強い抗エイズウイルス活性(抗HIV活性)を有していたが,同時に高い抗擬血活性を示した。そこで,高い抗エイズウイルス活性と低い抗擬血活性を持つ硫酸化多糖を探索した。抗がん剤の1,3ーβ結合したグルコースポリマーであるレンチナンを硫酸化したところ,得られたレンチナン硫酸は3.3μg/mlの低濃度で完全にエイズウイルスのT細胞への感染を阻害することが分った。しかも、副作用と考えられる抗擬血活性は約20U/mgと高くなく,この構造の硫酸化多糖がかなり選択的にエイズウイルスに作用することが見出された。次に、同じ1,3ーβ結合構造を持ち、豊富にある微生物多種カードランを硫酸化してカードラン硫酸を作った。カードラン硫酸は3.3μg/mlの低濃度で完全にエイズウイルスの感染を阻害した。カードラン硫酸は1.5U/mgぐらいの低い抗擬血活性を示し、in vivoテストした急性毒性は低かった。血液中に入れられたカードラン硫酸は60〜180分で体組織中へ移行・蓄積されていまうことが分かった。血液中滞留時間を長くするため,カードラン硫酸やリボフラナン硫酸に,天然にないL型糖の分枝をつけた・L型分枝硫酸化多糖の生理活性の血液中持続性は,抗擬血性の持続時間で測定したところ,時間のオーダーで保持されていた。研究遂行中に動物体内のカードラン硫酸は主鎖分解を受けることなく,数10日間存在しており,エイズ薬として望ましい性資であることが分かった。また,全成マンナン硫酸も高エイズウイルス活性と中程度の抗擬血活性を持つことも見出された。
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