研究分担者 |
美馬 宏三 東レ(株), 研究開発企画部, 主幹
谷口 良雄 栗田工業(株), 総合研究所膜グループ, リーダー
佐藤 寿邦 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (80017920)
松本 幹治 横浜国立大学, 工学部, 教授 (30011224)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1989年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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研究概要 |
昨年度に準備が完了した圧透析パイロットテスト装置及び膜面積1m^2のPEC1000膜からなる圧透析モジュ-ルを用いて,スケ-ルアップについて検討した。モジュ-ル単位での圧透析実験の結果を以下に示す。0.15Wt%のエタノ-ル水溶液に7.2wt%のNaClを添加した系では,操作圧力の増加とともに濃縮比は減少し透過液中のエタノ-ルは操作圧力が2.94MPaで0.19wt%まで濃縮されたが,4.90MPaでは,0.14wt%と希釈された。一方,同じくエタノ-ル水溶液に29wt%のショ糖を添加した系では,NaClとは異なり操作圧力の増加に伴って,濃縮比及び透過流束も増加した。例えば操作圧力が4MPaで,最高1.85倍の濃縮比が得られ,このときの透過量はモジュ-ル当たり0.18mol(エタノ-ル)1minであった。また,昨年度につづき液体クロマトグラフィ-による膜素材と溶質の相互作用について検討した。膜構造と膜性能に及ぼす製膜条件の影響を調べるため,逆浸透膜の製膜と同一組成で,酢酸セルロ-ス粒子の製造条件を検討した。ド-プ液中に添加剤として加えたリン酸量の増加に伴い,粒子の孔径は減少した。実験範囲においては,リン酸濃度15wt%で,粒子の孔径は最小となった。これは,酢酸セルロ-ス製逆浸透膜の製膜条件と一致した。また,エタノ-ルの分配係数についても,リン酸濃度の増加に伴い減少することが判った。更に,シアノエチルセルロ-スアセテ-ト(CACN)及びヒドロキシプロピルセルロ-スアセテ-ト(CAHP)についても,同様の粒子を製造し,液体クロマトグラフィ-を用いた液盾との相互作用を調べた。その結果,CACNとCAHPは共に酢酸セルロ-スよりも疎水性が大きいが,エタノ-ルの分配係数はほぼ同じであった。この分配系数の結果は,逆浸透によるエタノ-ル排除率と相関がみられた。
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