研究課題/領域番号 |
01860009
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
蚕糸学
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研究機関 | 関東短期大学 |
研究代表者 |
伊藤 智夫 関東短期大学, 初等教育科・科長, 教授 (50168358)
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研究分担者 |
岡野 俊彦 群馬県繭検定所, 研究員
浜野 国勝 東京農工大学, 農学部, 助教授 (60015089)
岩成 義才 東京農工大学, 農学部, 名誉教授 (40014899)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1991年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1989年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | カイコ / 生理活性物質 / 繭糸繊度 / 繭 / アミノ酸の栄養 / 人工飼料 / 絹織物 |
研究概要 |
繭糸の繊度は現行の交雑種では2.5デニ-ル前後のものが多いが、本研究においては、特徴ある太繊度の繭糸を得ることを目的に人工飼料と昆虫ホルモンを蚕に併用してス-パ-ジャンボ繭を作らせ、得られた太繊度の繭糸を用いて独特の風合いをもつ絹織物を作る方法を検討した。 生理活性物質(メトプレン)の投与条件を検討した結果、4齢餉食後18〜24時間における、1頭当たり40〜100μgの生理活性物質の経皮投与に、4齢期間の延長効果と5齢起蚕の体重増加効果が最も強く認められジャンボ繭を得ることができた。一例を示すと、太繊度用蚕品種(名称さきがけ)において、投与区が4.6〜4.7デニ-ルであったのに比べ、対照区は3.8〜3.9デニ-ルであった。なお、飼料中の蛋白質量が繭糸繊度に影響することを認めまた一部アミノ酸の効果を再確認した。 次いで太繊度の生糸の物理性を解明する目的で、繭糸繊度の異なる合計10数種類の蚕品種の繭から、それぞれ繰糸した27デニ-ルの生糸を用い、その物理性を調査した。その結果、繭糸繊度の太いものを用いたほうが、生糸の伸度が大きくなり、繊度単位当たりの生糸強力は小さくなり、かつヤング率が小さくなった。すなわち、繊度の太い繭糸を用いたほうが、柔軟で腰のある繊維が得られ、太繊度の生糸の物理性に製品としての利点が見出だされた。 さらに生理活性物質を投与して得た繭を原料とし、27デニ-ルの生糸を繰糸し、その生糸を100本合糸し、強いS撚をかけて精練した絹糸を用い、天竺編みの編物を作成した。これは従来の生糸で作った編物と比べて腰が強く、かつ合糸する糸の本数が少なくて済む利点があり、バルキ-性が低下することもなく、手触り、光沢も従来のものと遜色がなく編物メ-カ-および絹織物の品質評価の専門家の意見によると、本研究による太繊度の生糸は、織物原料としても実用的にも優れていた。
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