研究概要 |
重症心不全患者では,心筋はポンプとして働かない。しかし,アクチュエ-タを心臓弁の位置に埋め込むことができれば,この心筋は人工心臓のリザ-バあるいはハウジングとして使用可能である。このアクチュエ-タは,埋め込まれているもので,簡単に無単な無拍動性ポンプとなる。我々は,ひのような人工心臓をValvoーPumpと名付けた。ValvoーPumoの構想は1988年に四津により提唱された。 ValvoーPumpは,病んだ心筋を残したまま心臓の弁位置に埋め込むものであり,人工心臓置換においてさまざまな有利な点を持つ。それは,(a)循環系に対して解剖学的適合性に優れる,(b)血液接触面が少ない,(c)埋込術がたやすい,といった点である。 このポンプのハウジングは,外径37mm,長さ33mmのステンレス製チュ-ブである。ハウジング内に,10枚羽根のインペラを有する。このインペラは,外径21.3mm,長さ18.5mmのDCブラシレスモ-タ(Inland,RBE 0400ーA00)に取り付けられている。モ-タの最大連続出力は10.6Wである。血液はモ-タハウジング(23mm)とポンプハウジングのすき間を流れる。 このポンプの動作をモッマによる水力的循環により評価した。平均負荷圧60mmHgに対して5l/minのポンプ流量が得られた。 臨床用のValvoーPumpの開発のため,さらなる研究が望まれている。小型大出力モ-タを開発し,インペラ形状を最適化することによりコValvoーPumpは実現が可能となるであろう。
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