研究課題/領域番号 |
01880012
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | (財)実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
齋藤 宗雄 (斉藤 宗雄) (財)実験動物中央研究所, 飼育技術研究室, 室長 (50167417)
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研究分担者 |
日置 恭司 (財)実験動物中央研究所, 飼育技術研究室, 室長 (80208735)
垣生 園子 東海大学, 医学部・免疫学教室, 教授 (30051618)
上山 義人 東海大学, 医学部・病理学教室, 助教授 (30072408)
玉置 憲一 東海大学, 医学部・病理学教室, 教授 (50055860)
野村 達次 (財)実験動物中央研究所, 所長 (10072399)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
45,500千円 (直接経費: 45,500千円)
1991年度: 13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1990年度: 13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1989年度: 19,000千円 (直接経費: 19,000千円)
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キーワード | SCIDマウス / 免疫不全マウス / モデル動物 / 実験動物 / 実験動物生産システム / 胚の操作技術 / 実験動物生産・供給システム |
研究概要 |
平成3年度の本研究は、主にSCIDマウスの特性と有用性について検討した。特性については、平成2年5月生まれのCB-17-scid(SCID)♀13匹と♂124匹、CB-17♀114匹と♂111匹をSPF飼育環境下で長期飼育し、その生存日数ならびに総免疫グロブリン量を定期的に調べた。4年3月現在(22カ月齢)、SCID♀72匹(55.0%)♂79匹(63.7%)、CB-17♀28匹(24.6%)♂32匹(28.8%)が死亡し、死亡率はSCIDが♀♂共にCB-17を大きく上回った。死亡個体の剖検ではSCIDにはリンパ腫または胸腺腫の認められるものが多く、SCIDマウスの特性である免疫不全によるものと推察された。また生後2カ月と3カ月、以後3カ月毎に血清中のIgG、IgA、IgM量を測定しこれらを合わせて総免疫グロブリン量とした。SCIDでは総免疫グロブリン量が月齢と共に増加する傾向が認められた。SCIDの指標となる5μg/ml以下の個体は、2カ月齢では♀99.24%、♂99.21%であったが、21カ月齢の検査では♀0.76%、♂7.92%となり、今後検討すべき問題となった。有用性については、ヒト腫瘍の初代移植成績をヌ-ドマウスと比較した。同じ腫瘍を移植した140例についてみると、生着率はヌ-ドマウスが14/140(10.0%)であるのに対し、SCIDマウスは26/140(18.6%)と高かった。また正常組織であるヒト皮膚の移植を試みたところ、ヌ-ドマウスに比べて極めて良く生着することが確認された。以上のことからSCIDマウスは腫瘍学のみならず皮膚科学にも有用であることが期待された。SCIDマウスの改良については、既存近交系ならびにミュ-タント系へのscid遺伝子の導入をcross-intercrossによる戻し交配により行っている。現在、BALB/cA-scid、BALB/cA-scid nu、BALB/cA-scid bgがいずれもN5に達し、特性の検査に用いるまでに至っている。これらの検討は、本研究で確立した生産・供給システムによって生産されたSCIDマウスを用いて行われた。
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