研究課題/領域番号 |
01880026
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三宅 千枝 大阪大学, 工学部, 教授 (70028976)
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研究分担者 |
志賀 正幸 京都大学, 工学部, 教授 (30026025)
本田 裕 三菱原子燃料(株), 開発試験センター, 所長(研究員)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1989年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | ジルカロイ被覆管 / ジルカロイー4 / ニオブ添加ジルカロイ / ノジュラ-腐食 / 超常磁性状態 / 磁化曲線 / βー焼入れ / 金属間化合物 / 磁化典線 / βー処理 / 微量添加元素 / ジルカロイー2 |
研究概要 |
本研究は、軽水炉被覆管のノジュラ耐食性とジルカロイ素材の熱処理条件の相関について、新しく磁気的方法により研究を行ったものである。 第1部では、従来の金属組織学的研究ではジルカロイ材の微量添加成分がジルコニウムβ相では過飽和の固溶体として存在するものとされていたのが、磁気測定により数nmの粒径をもった超微粒子金属間化合物として析出していることが明らかとなった。即ち、ジルカロイー4においては、Zr(Fe、Cr)_2系の強磁性金属間化合物の超微粒子が分散析出している状態でいわゆる超常磁性状態にあることが判明した。他方、ジルカロイー2においても、Zr_2(Fe、Ni)系の金属間化合物が析出しているものと思われるが、これらの金属間化合物は非磁性であるので、本研究の磁気測定では検出されなかった。しかし、このことは逆にジルカロイ材への微量添加元素が過飽和の固溶体としてではなくて、金属間化合物の微粒子として析出していることの証であると考えられる。第2部では、種々の組成比をもつニオブ添加ジルカロイ材について第1部と同様磁気測定により、ZrーNbーFeーCr系の金属間化合物微粒子が約10nmの粒径をもつてβ熱処理(焼入れ)後のジルカロイ材中に析出していることを見い出した。ニオブ添加により粒径の大きくなることが一般に見い出されており、本結果もそれに対応しているものと思われる。第3部では、ジルカロイー4材について、ジルコニウムのβ相、β相+α相の種々の温度からの各種降温処理試料を実機に即した腐食試験に供し、重量増加、顕微鏡による表面観察等により耐食性を評価した。 その結果、超微粒子金属間化合物が析出している状態にあるβー熱処理(焼入れ)材は耐食性に優れていることが明らかとなった。
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