研究課題/領域番号 |
01F00052
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
黒羽 啓明 崇城大学, 工学部, 教授
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研究分担者 |
DALE Kenneth William 崇城大学, 工学部, 外国人特別研究員
DALE K. W.
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 延性亀裂 / 脆性破壊 / J積分 / FAD / 柱梁接合部 / 部分溶込溶液 / 塑性拘束 / 品質管理 / 3軸応力度 / 溶接欠陥 |
研究概要 |
兵庫県南部地震による被害で明らかになったように、鉄骨建築物の溶接接合部に不可避的に存在する溶接欠陥から延性亀裂が進展し、その先端から脆性破壊が発生する恐れがある。溶接欠陥が接合部の強度に及ぼす影響を定量的に評価する手法を開発し、これを基に鉄骨の品質管理基準を策定することが本研究の最終目標である。 欠陥が最も発生し易い梁フランジ端部溶接の始終端に、スラグ巻込み、融合不良を想定した部分溶込み溶接、疲労亀裂などの人工欠陥を設け、かつ、材質、試験温度を変化させて、これらの溶接接合部の実験を行った。実験で観察された脆性破壊を数値的に再現するために詳細な非線形有限要素解析を行った。脆性破壊の発生を予測するために、次の考え方に基づく改良FAD(破壊評価線図)の手法を用いた。欠陥の評価として用いる弾塑性のJ_cとしては、規格化された材料試験方法に従ったコンパクトテンション試験(CT試験)法で計測されたものを用いた。これらの試験片の亀裂の先端は強い塑性拘束を受けている。他方、柱梁接合部に存在する溶接欠陥の多くは表面欠陥であり、かつ、脆性破壊を生じる時点では、溶接欠陥の周辺部は広い範囲で降伏している。従って、溶接欠陥の切欠き先端部に存在する塑性拘束は遥かに弱い。そこで、塑性拘束の弱い欠陥のJ_c抵抗値(見かけのJ_c)は、CT試験片で計測されるJ_cを確率論の手法を用いて割り増したものとする必要がある。 このような見かけのJ_cを用いることにより脆性破壊の発生を精度良く予測することができた。この数値破壊力学の手法によれば、数値解析のみで種々の欠陥や接合部の脆性破壊を再現できるので、溶接欠陥の許容基準を策定することが容易となった。 さらに、部分溶込み溶接した接合部では、不溶接部分から母材表面にまで拡がるせん断滑り帯が形成されるために塑性拘束が小さくなり、最大主応力が小さくなるために脆性破壊が発生し難くなることが確かめられた。
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