研究課題/領域番号 |
01F00066
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
自然災害科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡田 憲夫 京都大学, 防災研究所, 教授
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研究分担者 |
ZHANG Ji?quan 京都大学, 防災研究所, 外国人特別研究員
ZHANG J.-Q.
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 豪雨災害 / 水害 / 灰色関連度分析 / 洪水危険度 / 洪水リスクマネジメント / AHP / 地理情報システム(GIS) / 洪水危険度評価 |
研究概要 |
世界的にも近年の気候異常により豪雨に起因する災害が頻繁に発生し、社会的・学術的にも注目を集めている。そのうえ、今後、地球温暖化に伴って、豪雨の激しさとそれによる災害の発生頻度の増加傾向が予測されている。毎年のように日本のどこかで豪雨災害が発生し、大きな被害がもたらされており、豪雨災害防止の難しさを浮き彫りにしている。災害発生時において被害を最小限にとどめるためには、事前に災害危険域及び被害程度の詳細な評価・予測と災害対策支援システムの構築を行うことが、緊急都時の避難体制や防災施設等の整備を図るうえでの礎として極めて重要となる。本研究は世界でかなり頻繁に豪雨災害が発生する日本の大都市を研究対象地域として、リスク分析的視点、気象学、地理学、災害学、環境学、経済学、防災工学や都市工学などの学際的な観点から地理情報システム(GIS)を活用しながら(1)マクロゾーニングに基づく豪雨災害の危険度評価モデルの構築、(2)ミクロゾーニングに基づく洪水災害危険度評価と総合的洪水リスクマネジメント施策の設計評価モデルの構築を目的としている。 マクロゾーニングに基づく豪雨災害危険度の評価モデルは、市町村、もしくは、それ以上の広がりをもつ地域単位で収集しうるデータ用いて、灰色関連度分析法、AHPと重み付けした総合得点法などの解析手法を用いて豪雨災害に対する危険度を統計分析により総合評価したものであり、降雨の発生傾向、地形・地質条件、植生などの洪水災害危険度評価のための指標、過去の洪水被害実績(資産、人命、農産物)およびその生起頻度、人口密度、住民一人当たりの地域内総生産等の洪水被害の規模を規定する指標を用いて総合評価指標を構成し、山口県の各市町村に適用した。 一方、ミクロゾーニングに基づく洪水危険度評価と総合的洪水リスクマネジメント施策の設計評価モデルは、GISを用いて50mメッシュなどの小規模な分析単位を想定し、個々のメッシュの洪水危険度を分析・評価するとともに、保険等のリスクファイナンス手法と洪水防御施設の構築等のリスクコントロール手法とから成る総合的水害リスクマネジメント施策を設計評価するモデルである。ミクロゾーニングに基づく災害危険度を分析するために、降雨-流出-氾濫-被害という一連の水害発生プロセスを再現する水害シミュレーシヨンモデルを構築した。水害シミュレーションモデルを用いて個々のメッシュや建物の洪水危険度を分析・評価し、GISに基づく浸水域の2次元・3次元表示と計算結果の表示システムを構築した。その上で、このシミュレーションモデルを数理計画モデルに組み込み、望ましい総合的水害リスクマネジメント施策を設計評価するモデルを構築している。この研究では、構築した解析法を2000年東海豪雨災害により大きな被害が発生した名古屋市にける高度に都市化の進んだ新川氾濫源に適応するとともに、その政策論的知見についても検討した。
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