研究課題/領域番号 |
01F00200
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松重 和美 京都大学, 工学研究科, 教授
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研究分担者 |
EL?HAMI Khalil 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / P(VDF / TrFE) / SWCNT / アクチュエーター / 原子間力顕微鏡 / 高分解能電子顕微鏡 / HREM |
研究概要 |
短く、本数の少ない単層のナノチューブSWCNT束を合成するには、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンの共重合体であるP(VDF/TrFE)が、カーボンナノチューブに与える効果を利用した手法を提案する。従来の透過型電子顕微鏡を用いて、SWCNTとSWCNT/P(VDF/TrFE)ナノコンポジット間における構造変化の画像化を試みた。これまでの研究成果から、カーボンナノチューブの表面力P(VDF/TrFE>で均一に被膜されることを実証している。その結果、カーボンナノチューブは絶縁ポリマーに組み込まれた高伝導ワイヤーとなり、様々な分野への応用化が期待される。また、P(VDF/TrFE)共重合体をSWCNT束に挿入することで、個々のSWCNT束の縮小および分割への利用が考えられる。 高分解能電子顕微鏡(HREM)による観察の結果、荷重のない状態での単層ナノチューブ(SWCNTs)の高い柔軟性が示され、ナノチューブのねじれがない状態でほぼ180度の屈曲角度を示した。また、屈曲していないSWCNTsもHREMの画像で確認されており、この2種類のSWCNTs束が混在する新しい画像が得られた点からも、興味深い機械的・電気的性質および構造的特性が今後明らかにされると注目している。 このナノスケールのアクチュエーターには次の2つの働きを持っている。まず、P(VDF/TrFE)の分極反転により圧電性を持たせることが可能であり、電圧を電極間に印可すると、P(VDF/TrFE)共重合体膜は膜圧方向に収縮および膜面内方向に膨張する。次に、分極領域の両端に発生した電荷力P(VDF/TrFE)によって被膜されたCNTのひずみと機械的変形をもたらし、CNTの運動を発生させる。ナノチューブの推定変位量はz軸方向におよそ12nmである。この変位は原子間力顕微鏡におけるカンチレバーの変位をフォトダイオード、ロックインアンプを介して測定した結果をもとに算出した値である。今後、CNTとポリマー間の光線の動的安定における圧力効果を観察していく予定である。
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