研究課題/領域番号 |
01F00212
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
奧山 雅則 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授
|
研究分担者 |
RICINSCHI Dan 大阪大学, 基礎工学研究科, 外国人特別研究員
RICINSCHI D.
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
|
キーワード | PZT FILMS / SWITCHING / FATIGUE / PIEZORESPONSE / HYSTERESIS / LANDAU THEORY / AFM |
研究概要 |
本研究は、強誘電体の分極スイッチングとその劣化のナノスケールでの機構解明に関してのものである。実験では、圧電応答顕微技術による強誘電性ドメインイメージングを局所的な圧電ヒステリシスにより測定した。理論的には、ランダウ理論による格子モデルによりPZT薄膜のマクロな分極ヒステリシスと局所的な圧電応答の関係を調べた。ゾルゲルとスッパッタリングにより作製されたPZT薄膜の初期と分極疲労した状態の評価を、原子間力顕微鏡と強誘電性テスターを組み合わせることによって行った。ゾルゲル膜では分極が10^7回の反転により劣化するが、スパッタPZT膜では10^9回でも飽和するだけである。この結果は、欠陥電荷の拡散と集積による空間的に不均一な強誘電性により説明出来た。インプリントしたヒステリシス領域による疲労機構はゾルゲル膜で起こり、ダイナミカルクランピング領域による疲労機構はスパッタ膜で起こると考えられる。さらに詳細なミクロとマクロの関係は、局所的なヒステリシスのパターンを確率的に解析することによって説明出来た。その目的は、全体のヒステリシスを局所的ヒステリシスパターンを適正化し平均化することによって、最も適切な局所的なヒステリシスを見い出すことにある。スパッタPZT膜の場合、初期と疲労の両状態は単一のパターンで説明できるが、ゾルゲルPZT膜の場合には種々の分極ヒステリシスが分布しており強誘電的性質がナノスケールで変化している。ヒステリシスの強い局所的相関がスパッタPZT膜にあり、相関が拡がっているのがゾルゲル膜である。これらの結果からスパッタPZT膜の強誘電的性質は高密度強誘電体メモリの小さなセルにスケールダウン出来る。分極反転の中間状態は種々の電界強度と時間で分極された微小領域の分極パターンの測定から調べられた。PZT膜のスイッチング機構は結晶構造に依存することが分かった。エピタキシャル膜ではスイッチングは平面方向に一様に広がるが、多結晶膜ではスイッチングの早い方向に進む。これらの結果は初期核が違った場所から起こり、平面方向と深さ方向の相互関係を考えることにより説明できる。
|