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ナノグラファイトの作成とその電子構造評価

研究課題

研究課題/領域番号 01F00257
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分外国
研究分野 機能・物性・材料
研究機関東京工業大学

研究代表者

榎 敏明  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授

研究分担者 TU Wexia  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
TU W.  
研究期間 (年度) 2001 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワードナノ粒子 / 界面現象 / 量子サイズ効果 / 電荷移動錯体 / 電子構造自己組織化膜 / TTF / 単層グラファイト
研究概要

アルカンチオール及びTTF置換アルカンチオールの自己組織化膜を有する白金ナノ粒子の作成と電子、磁気物性の解析を行った。オクタデカンチオール(C_<18>H_<37>SH)膜を有する白金ナノ粒子については、0から100%の表面被服率の増加に伴って粒径が2.2から0.9nmへと減少することが明らかとなった。温度に依存しないパウリスピン常磁性は粒径の減少に伴って減少し、量子サイズ効果により説明できることが明らかとなった。低温ではキュリースピンが被服のない白金ナノ粒子に比べて一桁大きく、各粒子が0か1個のスピンを有する値となり、偶数電子系である白金の電子状態と一見矛盾する結果となった。X線光電子分光スペクトルからは、白金の原子価は正の値を持ち、ナノ粒子が電子不足状態にあることが示唆される。これらのことから、アルカンチオールで被覆された白金ナノ粒子においては、粒子内部からチオール側に電荷移動が起こり、結果として偶数電子系からのずれが生じているものと思われる。ESRでは、被服率の増加に伴って、線幅とg値の増加が観測された。このことは、被服率の増加により、スピン-軌道相互作用が大きく増加することを示唆している。白金ナノ粒子では、アルカンチオールとの界面において不連続なポテンシャルの変化が存在する。このとき、フェルミ準位付近のナノ粒子の波動関数は界面付近に染み出し、スピン-軌道相互作用が増大するものと思われる。このように自己組織化膜を有する白金ナノ粒子には、量子サイズ効果に加え、界面での電子状態変化が大きく電子物性に影響することが明らかとなった。
白金ナノ粒子上へのTTF置換基を有するアミノプロピルチオールの自己組織化膜の形成も試みた。さらに、これに臭素を加え、界面での電荷移動錯体の形成も試みた。現在、磁化率、ESR、電子顕微鏡観察により、構造と電子状態の相関を解明している。
また、白金ナノ粒子表面の自己組織化膜を800℃で熱分解してグラファイト化することを試みた。その結果、負の磁化率が観測され、白金ナノ粒子表面にグラファイトが形成されることが示唆された。現在、再現性と物性の詳細を調べている。

報告書

(1件)
  • 2002 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2024-03-26  

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