研究課題/領域番号 |
01F00516
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小松 紘一 京都大学, 化学研究所, 教授
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研究分担者 |
CHENG Fuyong 京都大学, 化学研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | フラーレン / 二価アニオン / 一電子酸化 / 二量体 / X線結晶構造解析 / フラーレンカチオン / NMR / NIR |
研究概要 |
(1)フラーレンC_<60>の2価アニオンとヨウ化ジエトキシホスホリルメチルとの反応によってフラーレンのホスホリルメチル誘導体1を合成し、これから発生させた安定なフラーレンアニオンの一電子酸化によって、対応するラジカルの二量体2を新たに合成した。さらに二量体2の単結晶を用いて、その精密な構造をX線結晶構造解析により決定することに初めて成功した。これは単結合で結ばれたC_<60>二量体の新しい例であり、中央の単結合は先に当研究室で合成されたダンベル型C_<60>量体と極めて類似した結合長をもつことがわかった。(2)二量体2を硫酸への溶解あるいはCH_2Cl_2中トリアリールアミンラジカルカチオンによって一電子酸化することによって、これまでに二例しか報告例のないフラーレンカチオン種3を容易に発生できることを見出し、^1H、^<31>P、および^<13>C NMRならびにNIRなどの各種スペクトルによってP=O二重結合のカチオン中心炭素への配位がカチオンの安定化に重要な役割を果たしていることを明らかにした。(3)このカチオン種3と求核剤との反応によって、各種の新しいフラーレン誘導体の合成が可能であることが明らかとなった。(4)まったく同様の手法により、エトキシカルボニルメチル基をもつフラーレンカチオンの発生が可能であること、またこれを鍵反応として、新しいラクトン環の縮環したC_<60>誘導体が合成できることを見出し、この手法の汎用性について明らかにした。
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