研究課題/領域番号 |
01F00734
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河村 知彦 東京大学, 海洋研究所, 助教授
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研究分担者 |
BALFOUR Clarke Christopher 東京大学, 海洋研究所, 外国人特別研究員
CLARKE Christopher Balfour 東京大学, 海洋研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | アワビ類 / 繁殖生態 / 資源管理 |
研究概要 |
昨年度の研究で、調査海域とした相模湾の長井沿岸において、クロアワビ、メガイアワビ、トコブシの分布調査を特に親貝の密度と個体間距離に着目して継続的に実施した結果、クロアワビとメガイアワビ(大型種)については、ごく一部の禁漁区においてのみ比較的密集した個体群が存在し、一般漁場においては分散して生息していることが明らかになった。一方、トコブシ(小型種)は浅瀬にクロアワビやメガイアワビと比べれば高密度で分布していたが、分布密度は場所により異なり、密度の低い場所では個体間距離も長くなっていた。 クロアワビの亜種であるエゾアワビ(大型種)とトコブシ(小型種)について、精子密度と放精からの経過時間、精子と卵の接触時間が受精率に及ぼす影響を室内実験で詳細に検討した。その結果、エゾアワビの卵に比べてトコブシの卵は、より低い精子密度で、またより短い精子との接触時間でも高率で受精できることがわかった。波による攪乱が大きな浅瀬に生息するトコブシでは、放出された精子は速やかに拡散するものと予想され、大型アワビに比べると高い精子の受精能は、このような生息環境に適応したものと推察された。一方、エゾアワビに代表される大型アワビ類は、深場に密集して生息する特性を持ち、それが精子の受精能にも反映していると考えられた。卵の受精率は、精子の密度が低くなるほど、放精からの時間が長くなるほど、また、精子との接触時間が短いほど低くなることが明らかとなり、放卵放精時における雌雄間の距離が受精率に重大な影響を及ぼすことが示唆された。また、この現象は、トコブシよりも大型アワビで顕著になるものと考えられた。 本研究の結果から、長井沿岸の一般漁場における大型アワビ類の密度とそれに伴う個体問距離は、受精の成功を妨げ、再生産を阻害している要因と考えられる。浅瀬に生息する小型種のトコブシの資源量が大型種に比べて高く維持されているのは、精子の受精能の違いに一因があることが示唆された。
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