研究課題/領域番号 |
01J00169
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
水野 雅之 東京理科大学, 理工学研究科・建築学専攻, DC2
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 建築火災 / 避難安全 / 避難予測 / 避難開始 / 人間行動 / 異変感知 / 焦げ臭 / 煙 |
研究概要 |
本研究では、避難安全評価体系を対象として性能指向型工学体系化を目指し、昨年度までに建築基準法の下に定められた避難安全検証法(以下、検証法)について、(1)その計算体系が建築設計に要求する安全水準、(2)計算体系に含まれる特性入力値や予測式が本来持っている変動やばらつきの検証結果への影響度(相対感度)、(3)信頼性工学でいうところの最尤限界点に対応する特性入力値や予測式の部分安全率を、典型的な片コア型オフィスビルを対象として分析した結果を報告した。この中で、改良の必要性が高い予測手法を幾つか指摘し、特に避難開始予測が検証法の計算体系において最も不適切な予測式であることを考察した。そこで、避難開始に関する人間行動の実体に即し、かつ避難安全評価体系に組み込むことが可能な避難開始予測手法を開発するために、まず避難開始予測の基本フレームを構築した。このフレームワークを作成することで避難開始の構造を明らかにすると共に、これを用いて避難開始シナリオを策定することが可能であるという実用性を示した。これにより個々の計画案の建物特性を考慮した避難開始手段を計画し、それを避難安全評価に反映することが将来的には可能なる。次に、避難開始に関わる個々の課題を認識した上で、火災が発生してから在館者が異変に気がつくこと(異変感知)を予測することが避難開始予測の基本であると指摘し、煙の発生に伴う在館者の異変感知について、人間の嗅覚・視覚を取り上げた被験者実験を実施した。一連の実験から、被験者(大学生)が異変感知に至る焦げ臭および煙の濃度を調査し、種々の有益な知見を得ると共に、煙の発生に伴う在館者の嗅覚と視覚を対象とした異変感知モデルを提案した。今後、避難開始に関わる他の課題についても在館者モデルと関連する状況変化の予測手法を整備することで避難開始予測手法を構築し、現在の評価体系を大幅に性能指向型に移行できる。
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