研究課題/領域番号 |
01J00419
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
原口 竜摩 熊本大学, 動物資源開発研究センター・技術開発分野, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Fgf / Shh / 外生殖器形成 / 内胚葉 / シグナリングセンター / 形態制御遺伝子 |
研究概要 |
高等哺乳類外性器の形成過程はこれまで発生工学的に殆ど解明されておらず、そもそも如何なるメカニズムで胎生期に外性器原器ができるのか、さらに如何にそれが分化し外性器を形作っていくのかほとんど理解されていなかった。また人類遺伝学的にも尿道下裂など非常に高頻度な奇形が外性器で存在しながら、外性器形成に形態制御遺伝子群がどのように関与しているかこれまで全くの未知領域であった。 私は外性器原器の形成が、その形態的な特徴から肢芽(体幹部より伸長するプロセス)や腸管(内胚葉上皮を中心とした分化過程)と類似した形態形成機構を有していることに着目し、特に生殖結節の伸長する過程においてはFgf (fibroblast growth factor)シグナリング、内胚葉上皮である尿道を中心とした形成過程ではShh (sonic hedgehog)シグナリングにそれぞれ注目し、これらの分子群について機能解析を行った。その結果、尿道上皮先端においてFgf8遺伝子が肢芽形成で報告されているような伸長誘導活性を生殖結節の伸長過程においても有しており、排泄腔膜/尿道の形成においてはShhシグナリングによる細胞死及び細胞増殖の制御が重要であることが明かとなった。これらの結果より外性器原基の伸長過程において、Fgf8遺伝子を発現する尿道上皮先端が肢芽形成のAERのような種のシグナリングセンターとして機能している可能性が推察された。またShh遺伝子変異マウスが示す生殖結節形成不全は細胞死の亢進及び細胞増殖の減少による排泄腔膜の形成異常に起因するものであり、このことは外性器原基の伸長過程と排泄腔膜/尿道の分化過程は協調して行われる可能性を示唆している。 これらの内胚葉性因子(Fgf8及びShh)の外性器形成過程における重要性を明らかにした私の一連の研究(Haraguchi et al. 2000, 2001 Development)は、外性器原基形成の内胚葉由来の組織(排泄腔膜及び尿道)への強い依存性/関連性を示唆するという点で、外性器形態形成の本質を理解するための手がかりを与える知見であると考えている。
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