配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
電子移動反応は生体内において最も基本的かつ重要な反応の1つである。これまで種々の補酵素類縁体の電子移動反応機構を解明し、反応場(溶媒、配位環境)を変えることによってその反応性を制御できることを明らかにしてきた。本課題研究では、さらに種々の金属イオン及び錯体を触媒として用いてこれらの電子移動反応を制御し、酵素活性に匹敵あるいはしのぐ人工酵素系を構築することを目的とするものであった。金属イオンを用いた電子移動制御については昨年度まででほぼ完了している。そこで本年度は生体において非常に重要な電子伝達物質であるニコチンアデニンジヌクレオチド(NAD)カチオン類縁体である9-フェニル-10-メチルアクリジニウムイオンを用いるとp-キシレンやp-シアノトルエンなどのトルエン誘導体を高選択的・高収率でアルデヒドへと光酸素化出来ることを見いだした(J.Am.Chem.Soc.2003,125,12850)。また、10-メチルアクリジニウムイオンの9位にメシチレンで置換し光照射を行うと分子内電子移動反応が効率よく進行し電荷分離状態が生成した。この電荷分離寿命・および電荷分離エネルギーの値は天然の光合成系を遙かに超えるものであることを見いだした(J.Am.Chem.Soc.2004,126,1600)。また、超寿命電荷分離状態の生成という点では120秒という天然の100倍近い電荷分離状態を持つ電子供与体・受容体連結分子の開発にも成功した(Angew.Chem.,Int.Ed.2004,43,853)。この3報が本年度のもっとも特筆すべき論文だがこれら以外にも30報あまりの投稿論文を発表した。
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