研究課題/領域番号 |
01J00827
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
槙 優 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | TTF / 核酸塩基 / 水素結合型電荷移動錯体 / DNA |
研究概要 |
本研究者はDNA、RNAの構成成分である核酸塩基が形成する多重水素結合に着目し、代表的なドナーであるTTFと組み合わせることによって水素結合型電荷移動錯体の開発を行っている。これまで精力的に行ってきたウラシルを有するTTF誘導体において、フェニルウラシルを有するTTFとシアナニル酸との電荷移動錯体の結晶構造を明らかにした。これまで本研究者が明らかにしてきたTTF-核酸塩基系化合物の水素結合とは異なり一重の水素結合であった。またウラシル部位の置換基を系統的に変化させ、結晶構造を明らかにすることにより、TTF-ウラシル系において結晶構造構築の主な要因は水素結合というよりもπスタッキング相互作用や置換基の立体因子によるという知見を得ている。また一連のウラシルを有するTTFとTCNQとの電荷移動錯体においては、相転移現象と考えらる伝導挙動を示した。分光測定、磁気測定を行ったがプロトンと伝導電子との相関を明確にするまで至らなかった。またシトシンを導入したTTF誘導体においては、相補的な四重水素結合が確認でき、これらとシアニル酸との電荷移動錯体においては、シトシン部位がプロトン化され、ドナーとアクセプターの組成比1:1の水素結合型電荷移動錯体を与える。グアニンを導入したTTF誘導体においては、アルカリ金属の抽出実験後、^1H NMRを測定することによってDNA末端のテロメア構造の部であるグアニン八量体構造が形成されていると現段階で類推している。このような高度に水素結合ネットワークで集積化した電荷移動錯体ならびに分子集合体を構築した。
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