研究課題/領域番号 |
01J02666
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内田 太郎 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | パイプ流 / 斜面崩壊 / 岩盤内地下水流動 / 流域間比較 / 斜面水文 / 土壌間隙水圧 |
研究概要 |
土壌パイプに関する研究として、以下の2点を行った。 (1)パイプの発生・形成に関する室内実験 (2)パイプ流観測結果の流域間比較 (1)に関しては、人工斜面を用いて、地下浸食によるパイプの発生、発達プロセスに関する実験を行った。その結果、(1)砂質土では粘土分の多い土に比べて、選択的な流出経路が発生しにくいこと、(2)均質な土からはパイプが発生しにくいこと、(3)一旦、パイプが形成されるとパイプ発生の時間スケールと比べて極端に短い時間スケールでパイプが発達することがわかった。(2)に関しては、アメリカ合衆国オレゴン州立大学と共同で行った。その結果、(1)パイプ流の発生には、総降雨量が閾値となる降雨以上になることが必要で、降雨量-パイプ流量関係は非常に非線形性が強いこと、(2)パイプ流と斜面からの総流出量の関係は線形であることがわかり、以上の2点はパイプの形状、土層の物理性に依存しないことが分かった。 岩盤地下水の流出機構に関する研究を滋賀県田上山地および岐阜県揖斐川源流域において行った。その結果、(1)岩盤からの湧水の流出特性は降雨に対して敏感に反応する応答と降雨から1日以上遅れて生じる応答が存在すること、(2)降雨に対して敏感に生じる応答に対する機構として、雨水の浸透(伝わり)による遅れ時間は、土壌層内の方が、岩盤内に比べて大きいことが分かった。 しかしながら、オレゴン州立大学との共同研究の結果、岩盤地質によっては岩盤内の地下水移動は崩壊発生にほとんど寄与しないことが分かった。さらに、岩盤地下水の寄与の大きさを予測する上で、土壌内の水の平均滞留時間分布が有力な指標であると考えられた。
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