研究課題/領域番号 |
01J02782
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 知裕 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 北太平洋 / 中層水 / オホーツク海 / クリル列島 / 潮汐混合 / 潮汐・潮流 / Boundary Mixing / 非静力学モデル / 内部波 / ventilated thermocline |
研究概要 |
前年度に行ったクリル列島域の潮汐混合効果を組み入れたシミュレーション実験の結果を、潮汐混合が北太平洋中層水(NPIW)起源水の形成とその後の輸送過程に与える影響に注目して解析し、さらに輸送過程について理論モデルを構築した。 シミュレーション実験の結果、先ずクリル列島域での潮汐混合によって起源水は生成量が10倍以上増加し、かつ低塩化されることが明らかになった。この変化を引き起こすのは、潮汐混合による、列島域での下への淡水フラックス(下層からの湧昇を伴う)およびオホーツク海奥における冬季沈み込みの強化であった。次に北太平洋中層での輸送については、(1)クリル列島域から北太平洋に流入した低塩分水は、亜寒帯および亜熱帯そして赤道西岸域にまで広がり、NPIWを低塩化すること、(2)クリル列島での湧昇およびオホーツク海での沈み込みは中層で収束して北太平洋中層へ流入し、ケルビン波と東向ロスビー長波による応答を引き起こし、北太平洋亜寒帯・亜熱帯中層循環に影響することが明らかになった。 この応答過程を考慮した理論モデルを構築した結果、(1)ケルビン波によって西岸境界流が循環境界を越え、その結果"intergyre communication"が引き起こされ、その効果が東向ロスビー波によっていわゆるプール領域へ広がること、(2)結果として亜寒帯西岸の海水が循環の境界を越えて亜熱帯へ流入し、プール領域に広がり、一部はさらに西岸境界域を通って赤道へ流出することが示された。この海水経路は観測から推測されているNPIWの流構造と良く似ており、したがってこの理論解は北太平洋shallow overturnの力学過程の解明と定量的評価に向けた基盤となるであろう。 上記の結果は裏面の通り国際学会で発表し、一部は国際誌で印刷中であり、残りも現在投稿中である。
|