研究課題/領域番号 |
01J02846
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
黒木 経秀 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 超対称ゲージ理論 / large-N reduction / Dijkgraat-Vata理論 / 非臨界弦 / 行列模型 / D-brane / ゲージ理論 |
研究概要 |
前年度終りに、近年流行したDijkgraat-Vata理論はlarge-N reductionとして解釈されることを示したが、それは4次元のU(N)ゲージ理論が1つのadjoint表現に属するscalar場と結合した場合に限られていた。そこでまずこの結果を拡張し、複数の様々な表現に属するscalar場が存在する場合や、他のゲージ群の場合にも、Dijkgraat-Vata理論はlarge-N reductionと見なせることを、具体的にこれらの理論のlarge-N reductionを構成することにより示した。我々の構成したようなsuperfield形式を保ったlarge-N reductionは、それまで知られておらず、我々の模型は新しくかつ超対称性を内部対称性として含むなどの著しい性質を持つことを見出したので、様々な超対称ゲージ理論のlarge-N reductionを構成したことは、これからのこの分野の発展に非常に意義があると期待される。またlarge-N reductionの際に我々が導入した非可換superspaceは以後注目を集めている。 一方、昨年あたりから臨界弦におけるD-braneや、非摂動効果の知見を得るため、行列模型によって厳密に解かれている非臨界弦におけるD-braneが解析されるようになった。これを踏まえ、行列模型における固有値のダイナミクスにおけるインスタントンが非臨界弦理論におけるD-brane、非摂動効果に対応すること、それらが行列模型の連続極限から得られる厳密解の予言と無矛盾であること、その厳密解からは決まらない積分定数も、行列模型では有限に計算できることを示した。この積分定数が、行列模型のポテンシャルに依らない普遍的な量であるかどうかも議論した。一方、この積分定数は閉弦の場の理論やloop方程式の定式化では決まらないと思われるので、我々の結果は弦理論をどの自由度、どの原理によって定式化するかについて示唆を与えている。
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