研究課題/領域番号 |
01J03288
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
東原 貴志 京都大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 木材 / 水蒸気処理 / 横圧縮変形 / セルロース / 木綿糸 / レーヨン糸 |
研究概要 |
高温・高圧水蒸気処理による木材の構造や物性変化および、高温・高圧水蒸気雰囲気下で横圧縮変形加工した木材の変形固定機構を解明するため、水蒸気処理木材の各構成成分の定量を行い、力学測定の結果とあわせ、木材構成成分の化学変化が木材の強度性能や寸法安定性におよぼす影響を考察した。また、水蒸気処理した各種セルロース系繊維の結晶構造変化をX線回折測定し、セルロース結晶構造の変化が木材の物性におよぼす影響について考察した。得られた結果は以下の通りである。 1.180℃で水蒸気処理および熱処理した木材の成分分析と力学測定を行い、木材に与えた変形の固定機構について検討したところ、試料を水蒸気処理すると、ヘミセルロースの減少と強度の低下が観察されたことから、両者に相関があると判断された。試料を熱処理すると、α-セルロース量の減少と回復度の低下がみられたが、同時に強度の増加が観察された。α-セルロースの分解により変形復元力は低下するが、そのことは必ずしも強度低下をもたらさないことから、分子鎖切断によらない強度保持機構の存在が示唆された。 2.ガラス棒に巻いた2種のセルロース系繊維(木綿糸、レーヨン糸)を190℃、20分間水蒸気処理し、試料に与えた変形が水蒸気処理により固定されるか否かを観察した結果、レーヨン糸に与えた変形は水蒸気処理により固定されたが、木綿糸の場合は固定されなかった。木綿糸と木材が同じセルロース1の構造を持つことや、木綿糸に関するX線回折の結果より、190℃、20分間程度の水蒸気処理では、木材の横圧縮の永久変形固定に有効な、セルロース部分での凝集構造の形成はほとんどないと考えられた。
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