研究課題/領域番号 |
01J03435
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
秋山 修志 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | フォールディング / 高速液体混合技術 / シトクロムc / X線小角散乱 / 円偏光二色性分光法 / パルスラベル法 / 水素重水素交換 / 折れ畳み経路 |
研究概要 |
1、シトクロムcと呼ばれる球状小蛋白質は、変性状態から2つの中間体を経由して天然状態へと折れ畳む(天然状態→中間体1→中間体2→天然状態)。この折れ畳み過程において、二次構造が形成され分子半径が収縮していくダイナミクスを、独自に開発した高速液体混合装置を用いて研究した。得られた成果は以下の通りである。 (1)二次構造の形成部位を同定するために、高速パルスラベルNMR測定を行うための多段階混合系の構築を独自に行った。測定の結果、中間体2ではN末端、C末端、60'sと呼ばれる3つのヘリックスが形成されていることを明らかとした。この成果は、紀要としてまとめられている(Stepwise Folding Mechanisms of Globular Proteins)。 (2)分子の形状を調べるために、SPring-8でX線小角散乱による測定を行った。中間体1と中間体2の慣性半径は、各々20.5と17.7Åと見積もられた。中間体1の構造がコンパクトに凝縮した部位と、大きく変性している部位から構成されるに対し、中間体2の形は極めて球状に近いことが明らかとなった。また、慣性半径や分子の形の類似性から、中間体2がモルテン・グロビュール状態であることを提唱した。この成果は、論文にまとめられている(PNAS)。 2、アポミオグロビンの折れ畳み運動 アポミオグロビンの折れ畳み過程を研究した結果、分子の大きさ・形の似た中間体が少なくとも3つ存在することが示唆された。折れ畳み初期に形成される中間体は、およそ200マイクロ秒程度の時定数で消失する短寿命状態で、X線小角散乱法やCD分光法と高速混合型フローセルを組み合わせた研究により始めてその存在が明らかとなった。 3、ポリグルタミン酸(PGA)のヘリックス形成過程 CD分光法や赤外分光法に高速混合型フローセルを組み合わせた装置を用い、pHジャンプに伴うPGAのヘリックス形成過程を観察した。その結果、サブミリ秒のタイムスケールでは、PGA一分子中に幾つかの折れ畳み核が作られることが明らかとなった(JACS)。
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