研究課題/領域番号 |
01J03895
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉浦 真治 京都大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1) (70399377)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 植食性昆虫 / 捕食寄生性昆虫 / 群集構造 / 群集動態 / 節足動物 / ツツジ属植物 |
研究概要 |
京都市北区京都大学上賀茂試験地において、ツツジ属植物、モチツツジおよびコバノミツバツツジが、ヒノキ、コナラ林下に豊富に生育している。モチツツジは一年中葉をつける常緑樹種、コバノミツバツツジは秋に葉を落とす落葉樹種である。 平成15年度の研究は、上記2種のツツジ上で、季節を通じて、定量的に節足動物を採集し、そのうち植食性昆虫については飼育を行い、その天敵である捕食寄生性昆虫の調査を行った。本研究3年間のデータを解析した結果、80種の植食性昆虫、78種の捕食寄生性昆虫が記録された。36種の植食性昆虫の幼虫および蛹からは1種類以上の寄生蜂または寄生蝿が記録され、植食性昆虫の種類によっては、最大18種におよぶ捕食寄生性昆虫群集を形成していた。植食性昆虫あたりの捕食寄生性昆虫の種数は、植食性昆虫の採集・飼育個体数(サンプルサイズ)によって41%という大きな値で説明された。他の要因として、植食性昆虫の分類群および生活形などの生態的な要因も重要であると考えられた。 次に、モチツツジの花が植食性昆虫に特に食害されるのに注目して、モチツツジの花の量とその被食率についての調査を行い、今年度の研究結果を含め連続5年間のデータを検討した。結果、モチツツジの花は、主に、ツツジトゲムネサルゾウムシ(ゾウムシ科)とモチツツジマダラヒメハマキ(ハマキガ科)、ソトシロオビナミシャク、カバナミシャク属の1種(シャクガ科)の各幼虫によって食害されていることがわかった。植食性昆虫によるつぼみ・花の食害率は80-90%と一貫して高く、年および株でのつぼみ生産数に左右されなかった。これは、植食性昆虫の食害が、つぼみ生産数の変動に直接的な影響を与えていないことを示唆している。しかしながら、高い被食率はモチツツジの繁殖に与える影響は極めて強いことがわかった。
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