本年度は、自己組織化マップと遺伝的アルゴリズムを融合したパターン分類器、自己組織化マップとネオファジィニューロンを用いた予測システム、適応部分空間自己組織化マップとフィードバック自己組織化マップを融合した時空間パターン分類器に関する研究を行った。また、自己組織化マップハードウェアの開発を行った。 具体的には、顎変形症患者の症型を分類するために自己組織化マップを採用したが、精度の向上のために遺伝的アルゴリズムを用いて自己組織化マップのパラメータを決定する手法を提案した。従来のパターン分類手法(線形手法、非線形手法)と比較して、高い精度で分類が可能であることを示した。顎変形症患者の術後の側貌を予測するシステムを、ネオファジィニューロンを用いて構築した。更なる予測精度の向上を実現するために、術前の患者の症型を分類し、分類毎に予測器を構成する手法を提案した。ここで、術前の患者の症型分類に、上述の自己組織化マップと遺伝的アルゴリズムを融合した手法を採用した。また、パターンの時間情報を取り扱うことが可能なフィードバック自己組織化マップと、パターンの空間方向へのずれを吸収することが可能な適応部分空間自己組織化マップを融合することで、非常に頑健な時空間パターン分類器を構築した。更に、自己組織化マップのアルゴリズムを高速に処理するために、ハードウェア設計を行った。アナログ回路、ディジタル回路の双方による設計を行い、ソフトウェアによる処理と比較して30倍〜200倍の処理速度を実現することができた。
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